全1382文字
PR

 スズキは、SUV(多目的スポーツ車)タイプのプラグインハイブリッド車(PHEV)「ACROSS(アクロス)」を欧州市場に投入する。ベース車両はトヨタ自動車の「RAV4 PHV」である(図1~4)。トヨタがスズキに車両をOEM(相手先ブランドによる生産)供給するのは今回が初めて。2020年秋に発売する予定だが、電池の調達不安が浮上した。

図1 スズキが欧州市場では発売する「ACROSS」
図1 スズキが欧州市場では発売する「ACROSS」
ベース車両のトヨタ自動車「RAV4 PHV」からフロントグリルなどを変えた。(出所:スズキ)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 トヨタ自動車の「RAV4 PHV」
図2 トヨタ自動車の「RAV4 PHV」
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]
図3 スズキACROSSの内装
図3 スズキACROSSの内装
インスツルメントパネルやステアリングシートなどに施した赤色のステッチ(縫い目)を含め、トヨタRAV4 PHVと共通化している。(出所:スズキ)
[画像のクリックで拡大表示]
図4 トヨタRAV4 PHVの内装
図4 トヨタRAV4 PHVの内装
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 スズキがトヨタの力を借りてPHEVのACROSSを発売するのは、欧州で21年に強化される環境規制に対応するため。新車の二酸化炭素(CO2)排出量を平均で95g/kmにする必要があるが、スズキの自前技術では対応が困難だった。ACROSSのCO2排出量は、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)モードで26g/kmと低い。

 パワートレーンはRAV4 PHVと同じで、トヨタが新開発のプラグインハイブリッド機構を搭載した(図5)。エンジンは、排気量2.5Lで直列4気筒のダイナミックフォースエンジン「A25A-FXS」である。駆動用モーターは前輪側に配置し、最高出力は134kWで最大トルクは270N・m。

図5 トヨタRAV4のプラグインハイブリッド機構
図5 トヨタRAV4のプラグインハイブリッド機構
床下全面にリチウムイオン電池パックを配置する。(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 リチウムイオン電池の容量は18.1kWhで、床下に配置した。トヨタが17年に発売したPHEV「プリウスPHV」が搭載する電池は8.8kWhで、プラグインハイブリッド機構の刷新で電池容量を2倍以上に増やしている。

 大容量の電池を搭載したことで、スズキのACROSSは電気自動車(EV)モードで75km走行可能だ。EVモードでの走行可能距離が長いほどCO2排出量を低減でき、環境規制策としての貢献度が高くなる。