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 2020年7月5日に投開票を迎える東京都知事選挙では、22人の候補者が争いを繰り広げている。今回の選挙戦は2016年に実施された前回の都知事選と大きく異なっている点がある。選挙活動が対面重視からネットをフル活用する方向へ転換していることだ。

東京都知事選では各陣営がネット活用に注力している
東京都知事選では各陣営がネット活用に注力している
(撮影:日経クロステック)
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 それを端的に表しているのが現職の小池百合子候補の選挙サイトだ。選挙ではお決まりとも言える「街頭演説スケジュール」がどこにも見当たらない。代わりに掲載しているのがオンライン演説動画だ。小池候補の場合、東京23区や多摩地方、離島部の市町村のそれぞれに向けた演説動画をYouTubeで用意している。

 ネット活用重視の姿勢はその他の候補者も同じである。背景にあるのは新型コロナウイルス感染症の流行だ。選挙演説で有権者が密集したり、候補者と有権者が握手で接触したりする中で、仮に感染が拡大したら活動に大きな支障を来してしまう。例えば宇都宮健児候補の陣営では、いわゆる三密を避けるために自陣営主催の街頭演説の場所を事前に公開しない。有権者との触れ合いも握手ではなく「ひじタッチをしている」(宇都宮陣営)。

 新型コロナの感染が収束していないため街の人出が少なく、通常時の選挙に比べ対面で訴える効果が例年より薄いことも大きい。人流データを分析しているウネリーによると、街頭演説で使われることの多い新宿や渋谷、池袋、秋葉原の各地域で2020年6月27~28日の土日を1年前の6月末の土日と比較すると、「どの地域も20~30%弱」(ウネリー)、つまり前年比で7~8割減の人出しかなかったという。