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 会計ソフトや銀行口座の入出金データを基に、非対面でAI(人工知能)が融資の可否や利率を判断する――。デジタル時代の新たな融資サービスとして注目を集め、FinTech企業やメガバンクなどが相次ぎ参入する「オンライン融資」。早くも優勝劣敗の兆しが見えてきた。

 マネーフォワードは2020年7月6日、子会社マネーフォワードファインを通じて提供していたオンライン融資サービス「Money Forward BizAccel」の新規申し込みの受け付けを停止した。2019年5月にサービスを始め、わずか1年強で撤退を余儀なくされた。

マネーフォワードは2020年7月6日、オンライン融資サービスの新規受け付けを停止した
マネーフォワードは2020年7月6日、オンライン融資サービスの新規受け付けを停止した
(出所:マネーフォワード)
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 マネーフォワードは「融資残高は右肩上がり。だがメガバンクなども(オンライン融資に)参入して競争が激しくなるなか、限られたリソースで戦うのは難しいと判断し、撤退を決めた」(広報)と説明する。今後は主力のバックオフィス向けサービスにリソースを集中し、経営の効率化を進める方針だ。マネーフォワードファインの今後については「現時点で未定」(同)とした。

加熱するオンライン融資市場、みずほや三菱UFJも

 オンライン融資は2008年のリーマン・ショック以降、銀行が中小企業向け融資を絞ったのをきっかけに米国で広がったとされる。一般的な銀行融資と異なり、決算書や事業計画書などを用意して銀行員と対面する必要がなく、ネットで完結するうえに即日融資を受けられる点がメリットだ。融資する側にとっても会計データや口座の入出金データを基にAIが判断するため、人手を減らせ効率がいいとされる。

 国内ではオリックスと弥生が共同で設立したアルトアが2017年にサービスを始めた。2019年にはマネーフォワードやfreee(フリー)などのFinTech企業に加え、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などメガバンクも相次ぎ参入した。