全2518文字
PR

 米マクドナルドや米ペプシコ、英蘭ユニリーバなどがITコストの最適化に力を入れている。いずれも米Apptio(アプティオ)のクラウド型サービスを活用し、大きな効果を上げてきた。

 Apptioは2020年4月、日本法人を設立し、国内で本格的な営業を始めた。社内に点在するITサービスやシステムから利用状況のデータを取得し、KPI(重要業績評価指標)などとの差異を迅速に把握できる。100億円以上のIT予算を持つ米大手企業で、2割以上のコスト削減を実現する例があるという。

予算を管理するApptioの「IT Financial Management Foundation」サービス画面
予算を管理するApptioの「IT Financial Management Foundation」サービス画面
(出所:Apptio)
[画像のクリックで拡大表示]

 ApptioはIT関連コストの情報を集めて可視化し、シミュレーションできるようにする「IT Financial Management Foundation」が主力のサービス。2019年にはクラウド関連の契約を最適化するサービスを手がける米クラウダビリティを買収し、ラインアップに加えた。現在はこの2つをメインとして、全体で6つのIT予算管理サービスを提供している。

 Apptio日本法人社長に就任した成塚歩氏は「大企業でも多くがExcelでITコストを管理しているのが実態。そのため集計に時間がかかり、全社のIT戦略を打ち出すのも遅れてしまう。予算の計画と実行の管理もバラバラになっており、最適化も困難だ」と言う。

コスト最適化で先行する米欧大手

 現時点でApptioを導入しているのは米欧の大手企業だ。それらが採っているアプローチは大きく4つある。(1)ITの現状の的確な把握と計画、(2)IT案件の優先順位や改廃の判断、(3)IT関連請求の処理効率化、(4)各部門へのIT費用の割り当て---である。結果として、年50億円(約4700万ドル)以上の効果を出しているケースもある。

 例えば、米マクドナルドは表計算ソフトによるIT予算管理を転換。ITプロジェクトの予算の実行状況を見える化することで、プロジェクトの優先付けを容易にできるようにした。20%以上の不要なプロジェクト費用を削減し、2019年の予算を5500万ドル圧縮したという。

 米ペプシコはIT関連の請求一元化による管理に活用している。請求書の10万項目以上のデータの集計や調整に、これまで1カ月かかっていたが数日間に短縮。毎年2000万ドルのコスト効果を生み出したとする。

 不要なサービスのあぶり出しに利用しているのが、英蘭ユニリーバだ。内製システムの状況を可視化。クラウド移行の決定を早め、計画から2年早く5000万ドルのコストを削減した。4000あったサービスを2000に集約。各部門への費用の割り振りにも活用した。

 IT予算の実行と結果の管理を綿密に行うために採用したのが、米ホテルチェーンのシーザーズエンターテインメントである。ITの計画プロセスを83%削減した。予算と実行後の差異を5%引き下げ、4%にした。また、データセンターにかかるコストや関係するサービスを可視化。年50万ドルのコスト削減、80万ドルのソフトウエアライセンスの節約、IT予算の予実の差異を5割削減したという。