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 2020年9月に改正医薬品医療機器等法(薬機法)が施行される。改正薬機法では薬剤師の義務として、服薬期間中のフォローアップ(薬剤の使用状況の把握と適切な情報提供)が新たに盛り込まれた。

 そこでスマートフォンアプリを活用し、薬剤師と患者のコミュニケーションを支援する取り組みが始まっている。地域に根差したかかりつけ薬剤師・薬局としての役割が求められる中、薬局のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押ししている。

薬歴記載時間が半減などの効果も

 薬局向けに薬歴管理システムを提供するベンチャーのカケハシは、薬剤師が服薬期間中の患者をフォローアップするためのスマホアプリ「Pocket Musubi」の提供を7月2日に始めた。薬局1店舗当たりの初期費用は2万円、利用料は月額8980円で、患者の費用負担はない。

 フォローアップの仕組みはこうだ。患者は薬局から受け取ったQRコードを専用アプリで読み込むことで服用薬データを入力。服用薬に基づいた質問はシステムから自動的に送信され、患者には回答のほか自身の体調や服薬の状態も入力してもらう。薬剤師は管理画面で患者のデータを確認し、必要に応じてメッセージを送ったり電話をしたりする。

「Pocket Musubi」の利用イメージ
「Pocket Musubi」の利用イメージ
(出所:カケハシ)
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 薬局のDXも進む。カケハシは薬局の経営データや薬剤師の業務状況などを管理するシステム「Musubi」を提供している。同システムは患者の過去の処方や薬歴、健康状態などのデータを管理し、患者に合わせた指導内容を提示したり、薬局業務の効率化を支援したりする。Pocket Musubiとも連携できる。

 Musubiの導入店舗では、未導入店舗と比べて「薬歴記載時間が半分になった」「残業代を削減できた」といった効果が出ているという。「業務効率化で薬剤師に余裕ができると患者と向き合いやすくなる」(カケハシの三宅史生・Musubiプロダクトオーナー)。