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 トヨタ自動車が、同社の量産車としては初めてLIDAR(3次元レーザーレーダー)を採用することが分かった。初搭載する車両は、同社が2020年初冬に部分改良して発売する新型「レクサスLS」である(図1)。デンソーとドイツContinental(コンチネンタル)がLIDARを供給するようだ。

図1 トヨタが2020年初冬に発売する新型「レクサスLS」
図1 トヨタが2020年初冬に発売する新型「レクサスLS」
今回の部分改良で最新の高度運転支援技術「Lexus Teammate」を搭載し、周辺監視用センサーとして4個のLIDARを追加する。(出所:トヨタ自動車)
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 トヨタは20年7月7日、新型レクサスLSに最新の高度運転支援技術「Lexus Teammate」を搭載すると発表した。同社先進技術開発カンパニー先進安全領域統括部長の鯉渕健氏によると、Lexus Teammateは「自動車専用道路での周辺認識や自車位置推定、走行車線・位置選択、速度調整などを行いながら出口まで安全に運転支援する」機能という。

 具体的には、高速道路などの自動車専用道路での運転において、運転者が監視している状態で、車線や車間の維持、分岐、車線変更、追い越しなどを車載システムが実行する。米自動車技術会(SAE)が定義する自動運転レベルでは、「レベル2」の高度運転支援に該当する。

 高速道路で分岐の理解や追い越し走行などを実施する際に重要になるのが、車両周囲の状況を正確に把握することである。トヨタは従来、車両の前方をミリ波レーダーとカメラで、側方や後方はミリ波レーダーで認識していた。今回、運転支援システムを進化させるうえで、周辺監視用のセンサーとしてLIDARを追加する必要があると判断した。

Audiやホンダなどは1個のLIDAR

 量産車へのLIDARの搭載をめぐっては、ドイツAudi(アウディ)が2017年に発売した旗艦セダン「A8」で先陣を切った。ホンダやドイツBMW、スウェーデンVolvo(ボルボ)なども今後の量産車にLIDARを搭載する方針を示しているが、いずれも前方監視用として1個備える計画だ。

 対するトヨタは、新型レクサスLSで一気に4個のLIDARを搭載する。LIDARだけで周囲360度の状況を把握できるようにした(図2)。

図2 LIDARだけで周囲360度を監視
図2 LIDARだけで周囲360度を監視
前後左右に1個ずつLIDARを用意した。(出所:トヨタ自動車)
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 前方監視用のLIDARはフロントグリル下部に配置した(図3)。カメラとミリ波レーダー、そしてLIDARという3種類のセンサーを使うことで認識性を高める狙いがある。

図3 前方監視用のLIDAR
図3 前方監視用のLIDAR
認識精度を維持するため、センサー表面に付着した汚れを洗い流すクリーニング機構を備える。(出所:トヨタ自動車)
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 同LIDARはデンソーが供給するとみられ、レクサスLSの発売に合わせて量産を始める。トヨタは自動運転車の開発では米スタートアップのLuminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)も使っているが、量産車である新型レクサスLSでは“旧知”のサプライヤーを選んだ。