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 イスラエルMobileye(モービルアイ)は2020年7月8日、自動運転車を使ったモビリティーサービスを日本で展開していく計画を発表した。21年から日本の公道で実証実験を開始し、23年には商用サービスを始める予定である。

 日本での事業化に向けてMobileyeは、高速バスなどの交通サービスを展開するWILLERと提携した。今回の提携を機に、両社で無人で運行するタクシー「ロボタクシー」や完全自動運転によるオンデマンド型シェアサービス「自動運転シャトル」の開発を進める()。

図 Mobileyeが開発中の自動運転システム向け車載コンピューター
図 Mobileyeが開発中の自動運転システム向け車載コンピューター
米自動車技術会(SAE)が定義する自動運転レベルで「レベル4」から「レベル5」に相当する完全自動運転向けである。(撮影:日経Automotive)
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 Mobileye日本法人社長の川原昌太郎氏によると、WILLERとの協業は日本での取り組みだけでなく、「台湾や東南アジア諸国連合(ASEAN)での自動運転サービスの展開も視野に入れている」という。

上流から下流まで抑えるMobileyeのMaaS戦略

 車載半導体メーカーから移動サービスを提供するモビリティープロバイダーに転身する――。Mobileyeは19年1月に宣言して以降、自動運転システムを使ったサービス事業の開発に本腰を入れてきた。

 こだわっているのが、サービスにおける“上流”の自動運転システムから“下流”となる一般消費者との接点まで「フルスタックで提供できるようにすること」(同社Vice President, Mobility-as-a-Service OperationsのJohann Jungwirth氏)だ。

 同社は上流の自動運転システムを得意としている一方で、サービスの下流として消費者と接するMaaS(Mobility as a Service)向けアプリの開発は自前で手掛けてこなかった。その課題を解決するため、Mobileyeは20年5月に交通アプリを手掛けるスタートアップのイスラエルMoovit(ムービット)買収した。