トヨタ自動車は2020年7月9日、中型車「カローラ」にSUV(多目的スポーツ車)を追加し、同日にタイで発売したと発表した。今後、他の地域でも発売する計画である(図1)。
現行カローラには、セダン「カローラ」とワゴン「同ツーリング」、スポーツタイプ「同スポーツ」の3車種がある。世界で需要が高まっているSUVを追加することで、若者やファミリー層などの顧客を開拓し、購入者が“高齢化”しているとされるカローラシリーズの販売増加を目指す。
世界的なSUVの需要の高まりを受けてトヨタは、小型車「ヤリス」にもSUVの「同クロス」を追加し、20年秋以降に日本と欧州で発売する予定である(関連記事)。ヤリスに続き、カローラにもSUVを追加することにした。同社のSUVでは、「C-HR」と「RAV4」の間に位置する車両になる。
新型車の「カローラクロス」は現行のカローラシリーズと同様、トヨタの車両開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を適用したCセグメントの車両である。同手法に基づくプラットフォーム「GA-C」を採用し、SUVとしての基本性能を高め、車内空間を広くした(図2)。
タイ向けの車両では、ハイブリッド車(HEV)と自然吸気(NA)のガソリンエンジン車を用意した。
HEVはリダクション機能付きハイブリッド機構「THS II」を搭載。排気量1.8Lで直列4気筒のガソリン機「2ZR-FXE」に、電気式CVT(無段変速機)を組み合わせる。ハイブリッド機構と変速機は、日本向けの3車種と同じ。NEDC モード燃費は4.3L/100km(23.3km/L)である。
ガソリン車は、排気量1.8Lで直列4気筒の「2ZR-FBE」を搭載。自動CVTを組み合わせる。同エンジンはタイ向けの現行「C-HR」に搭載している機種と同じで、日本向けの2車種(セダンとワゴン)とは異なる注)。NEDC モード燃費は6.5L/100km(15.3km/L)となっている。