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 「金融を百貨店、商業開発に次ぐ第3の収益の柱にしていく」。高島屋代表取締役社長の村田善郎氏は2020年6月17日、新たな金融サービス業に関する説明会でこう宣言した。

 高島屋と金融子会社の高島屋ファイナンシャル・パートナーズが始めたのは、投資信託や信託、保険の仲介・取次サービス。日本橋高島屋S.C本館に設置した「タカシマヤ ファイナンシャル カウンター」で、アドバイザーが金融商品の仲介を実施する。投資信託については、オンラインで口座開設と購入が可能なWebサイトも用意。オンラインとオフラインの両面でサービスを展開する。

(画像提供:高島屋ファイナンシャル・パートナーズ)
(画像提供:高島屋ファイナンシャル・パートナーズ)
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 「レッドオーシャンで戦っても勝つのは難しい。百貨店業の強みを生かして顧客ニーズに沿った独自サービスを作っていく」と村田氏は述べる。新事業を担当する同社執行役員の平野泰範氏は、百貨店業の強みとして3点を挙げる。まず、1日当たり平均50万人が来訪する百貨店の顧客基盤。次に、売り場や催事と連動した金融サービスを提供できる。3つめは、百貨店での対面での活動で収集したデータを活用できることだ。

 この強みを生かし、ランドセルを購入する顧客に学資保険をセットで提案するといった、売り場や催事と連動したサービスを企画する。「重要なのがデータ。百貨店と金融サービスの顧客データを活用してニーズを探りだす」(平野氏)としている。

 百貨店業の市場が縮小する中、高島屋グループは金融業を新たな成長の核と捉える。同グループの金融業はクレジットカード事業を中心に年間約50億円の営業利益を上げている。これを中期的に「100億円の事業に伸ばしていく」(村田氏)計画だ。クレジットカードなどの既存事業で約25億円、今回の新サービスなどの新規事業で約25億円の増加を見込む。