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 会計ソフトを開発・販売するSAPジャパン、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、ピー・シー・エー、ミロク情報サービス、弥生の5社は共同で、業務システムにかかわる制度改革の提言や標準規約の策定などに取り組む。2020年6月、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目的とする「社会的システム・デジタル化研究会」を発足させた。

 「日本のさまざまな制度を、デジタルを前提に根底から見直すべきだという問題意識からスタートした」。同研究会の代表を務める弥生の岡本浩一郎社長は、発足に至った背景をこう説明する。岡本社長によると、商取引の業務処理や確定申告、年末調整といった日本社会の仕組みの多くは、紙での処理を前提として作られたものだという。電子申告や電子申請は普及しつつあるが、これまでの取り組みは「紙を電子化する」という観点にとどまっている。デジタルを前提とした、プロセス全体の見直しには至っていないとする。

 研究会の前身となった「Tax Compliance by Design 勉強会」の中でこうした問題意識を共有。オブザーバーとして業界団体や行政機関の参加も得ながら、これまでに合計5回の会合を開き、短期と中長期に分けて取り組むべき内容をまとめた。

中小・零細企業にも使いやすい電子インボイスを目指す

 まず短期では、2023年10月に導入される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」に向けて電子インボイスの標準化に取り組む。研究会の下部組織として2020年7月下旬に「電子インボイス推進協議会」を設立し、2020年内をめどに電子インボイスの標準規約を策定する。

 グローバルでのサプライチェーン対応の必要性などを考慮して、欧州連合(EU)などの海外規格をベースに規約策定を進める。海外規格をベースにするのは策定を急ぐ目的もある。

 2021年に協議会の参加企業が対応システムの開発に着手し、2022年にはベンダー間での相互運用性試験を実施する計画だ。2022年後半から同年末には、システムとしてある程度使えるようにするという。