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 厚生労働省は新型コロナウイルスについて情報提供しているWebページで新たにオープンデータの提供を始めた。陽性者数やPCR検査実施人数などの日次データをCSVファイルで毎日更新している。利用者はおおむね歓迎しているが、まだ残念な点も残っているようだ。早くも多くの改善要望が出ている。

 厚労省は2020年7月3日からWebページ構成の変更とともにオープンデータの提供を始めた。グラフとともに新たに「データ・注釈はこちら」と記したリンク先のページで、日々の陽性者数や雇用調整助成金支給決定件数などの9項目についてそれぞれCSVファイルの提供を始めた。厚労省は「多数の方からオープンデータの要望があったため提供を始めた」(大臣官房総務課広報室)と説明する。

厚生労働省の新型コロナウイルスに関するWebページにあるオープンデータ提供ページ
厚生労働省の新型コロナウイルスに関するWebページにあるオープンデータ提供ページ
(出所:厚生労働省)
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 従来の厚労省のWebページは感染者数などをPNG形式の画像データやPDFなどで提供していたため、データを加工したり分析したりして利用するのが難しかった。

 「大きな一歩」「大変ありがたく利用させてもらっている」。厚労省によるオープンデータ提供を歓迎する声が、オープンデータの利用に携わる関係者から挙がっている。オープンデータに詳しい奥村晴彦三重大学名誉教授や、福井県鯖江市に拠点を置いてオープンデータに取り組んでいるソフト企業jig.jp(ジグジェイピー)の福野泰介会長は、早速データを加工して作成した簡単なグラフをインターネットに公開している。

厚生労働省のオープンデータを加工して作成したグラフの例
厚生労働省のオープンデータを加工して作成したグラフの例
(出所:福野泰介jig.jp会長)
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 オープンデータとはパソコンやスマートフォンなどを使って誰でも無償で二次利用や機械処理が可能なデータを指す。機械処理しやすいオープンデータであれば、誰もがデータの正確さを検証したり、正しい情報を迅速に分析・共有したりできる。

 オープンデータの専用ページが作られたことで、官民が協力して取り組む必要がある新型コロナ感染の拡大防止のためのデータ分析が可能になる。厚労省の報道発表用Webページには大きな変更はみられないものの、きめ細かなコロナ対策に威力を発揮しそうだ。