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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は2020年7月15日、小型SUV(多目的スポーツ車)の新型「T-Roc」を日本で発売した。VWグループのプラットフォーム「MQB(横置きエンジン車用モジュールマトリックス)」を適用し、SUVとしての基本性能を高めた。さらに、日本市場で重視される予防安全性能を強化した(図1)。

T-Roc
図1 新型SUV「T-Roc」
(出所:VGJ)
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 新型車は車格と価格から見て、同社の小型SUV「T-Cross」と中型SUV「Tiguan」の中間に位置する車両になる。入門モデルのT-Crossはガソリンエンジン車だけを設定、上位モデルのTiguanはガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車を用意する。新型車はガソリン車を設定せず、ディーゼル車だけで日本市場を攻める。

 なぜ新型車にガソリン機を採用しなかったのか。その背景にはT-Crossとの使われ方の違いと、日本におけるTiguanの販売状況がある。

 入門モデルのT-Crossは、街中を中心に走行することを想定して、ガソリン車だけを設定した。ディーゼル機はガソリン機よりもコストが高くなり、最低価格が約300万円のT-Crossに搭載するのは難しかった。

 これに対して、最低価格が約350万円の新型車は街乗りに加えて、長距離ドライブでも使う場合が多いと想定した。そのため、ガソリン機より動力性能が高く、長距離運転に適したディーゼル機「2.0TDI」を選択した。

 また、VWの日本法人であるフォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は、「上位モデルのTiguanの日本における販売台数のうち、約80%がディーゼル車になっている」という。新型車と使い方が似るTiguanの販売状況も、ガソリン機を採用しないことを後押しした(図2)。

ディーゼル機「2.0TDI」
図2 新型車のディーゼル機「2.0TDI」
(出所:VGJ)
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