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 格安スマートフォン事業を手掛ける日本通信は2020年7月15日、完全定額の音声通話対応プラン「合理的かけほプラン」を導入した。24時間かけ放題の電話サービスと月3ギガバイトまでの高速通信サービスをセットにして、月額2480円(税別、以下同)で提供する。大手携帯電話会社の傘下企業以外で、格安スマホ事業者が完全定額の電話サービスを提供するのは初めて。携帯大手やサブブランドの攻勢に押され気味だった格安スマホ勢は息を吹き返すか。

公約通り「ドコモより4割安」

 格安スマホの音声通話料金は、30秒20円でほぼ横並びの状況が長らく続いた。1通話ごとに最大10分などの制限を設けた“準定額”のサービスはあっても、大手のような時間無制限の通話定額サービスは提供できていなかった。携帯大手からの通話回線の卸料金が高止まりしていたのが大きな理由だ。そこで日本通信は2019年11月に総務大臣裁定を申請した。

 具体的には、NTTドコモの音声通話サービスを「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を基本とする料金」で卸すほか、NTTドコモが顧客に提供している音声定額サービスを適正な原価で提供すること、の2点を要求。総務省は電気通信紛争処理委員会での審議を経て2020年6月30日、NTTドコモが音声通話の卸料金を「適正な原価+適正な利潤」に設定するよう裁定を下した。なお、音声定額サービスの原価提供については退けている。

 こうした動きを受け、日本通信が早くも繰り出した今回の新プラン。かねて同社は「(総務大臣裁定申請での主張が認められれば)NTTドコモより4割安く提供できる」(福田尚久社長)としてきたが、実際にはどの程度安いのか。

 基本料金は前述の通り2480円だが、データ通信量が月3ギガバイトを超過した際の追加料金も、1ギガバイト当たり250円に抑えた。したがって月7ギガバイト使った場合でも月3480円となる。これをNTTドコモと比較してみると、類似プラン「ギガライト」に電話がかけ放題になるオプションを追加し、3ギガバイトまで利用した場合で月5680円かかる。7ギガバイトまでなら7680円だ。日本通信のプランはNTTドコモの半額以下に収まっている。

 NTTドコモには、家族2人以上で契約していると値引きが受けられる「みんなドコモ割」や、光回線サービスとのセット割引「ドコモ光セット割」がある。これらの割引サービスを適用すれば、ギガライトとかけ放題オプションの合計額は3ギガバイトで4180円、7ギガバイトで5680円にまで下がる。それでも日本通信が依然として約4割安く、これまでの“公約”を守った格好だ。