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 バンダイナムコ(バンナム)グループが、映画制作を担う東宝とタッグを組み、ゲーム開発などのエンターテイメントで培った技術の多角的な展開を強化しようとしている。それが、「バンダイナムコ研究所 東宝スタジオラボ」(以下、東宝スタジオラボ)だ(図1)。バンダイナムコ研究所(東京・江東)が東宝スタジオ(東京・世田谷)の施設内に分室として2020年2月に開設した。

図1 「バンダイナムコ研究所 東宝スタジオラボ」
図1 「バンダイナムコ研究所 東宝スタジオラボ」
ゲーム業界と映画業界の知見を組み合わせていく。(出所:バンダイナムコ研究所)
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  同研究所には、バンナムグループにおいて主にゲーム開発などを手掛けてきた技術者が集まっており、AI(人工知能)やVR(仮想現実)といった技術を保有する。「最先端のゲームを開発してきた一方で、蓄積した技術を他分野でも生かせると考えた 」(バンダイナムコ研究所技術開発本部取締役の大森靖氏)。エンターテインメント開発で培ってきた技術の新領域での活用を探るのが同研究所のミッションだ。

 その一環として開設したのが東宝スタジオラボである。東宝スタジオからの「映画などを製作する映像の生産工場に分室を設置しないか」という提案を受けて実現した。ゲーム業界と映画業界の強みを持ち寄り、映像製作で新しいエンターテインメントの創出を目指していくのが狙いだ。

 バンダイナムコ研究所イノベーション戦略本部部長の髙橋みなも氏は、具体的な強みとして、「ゲームのインタラクティブな側面をエンターテインメントに取り入れられる映画の視聴に活用できる 。さらに、最近でこそゲーム機の性能は高くなっているが、機器の性能という制約の中で、どうゲームを最適化していくかという独自のノウハウが生かせる 」。

 一方で東宝スタジオは「ゴジラなどを生み出した映画美術製作、映画音響製作などの技術が受け継がれている。才能ある映像製作者が内外から集う場所である点も強み」とする。

 ゲームと映画のコンテンツ製作工程をどちらも効率化できる可能性もある。例えば映画をゲーム化する際に、事前に映画の背景CGなどの映像コンテンツを融通できるようにしておけば、ゲーム開発でそのコンテンツを利用が容易になる。「すでに米国はそのような試みがみられる」(バンダイナムコ研究所の髙橋氏)。逆もまたしかりだ。