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 2020年12月6日(日本時間、オーストラリア時間)にオーストラリアのウーメラ地区に向けてカプセルを再突入させる――。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」の地球帰還の日程がコロナ禍の中で決まった。

 カプセル回収は、はやぶさ2プロジェクトにとって最後の山場だ。初代「はやぶさ」と違い、はやぶさ2では探査機本体は再突入させない計画。帰還の精度を上げるには地球の近くでカプセルを本体から分離した方が良い。だが、探査機本体を地球の重力圏から離脱させるためのエネルギーを節約するには、地球からなるべく離れたところでカプセルを分離したい。そのトレードオフを天秤(てんびん)にかけながら最終的なカプセル分離のタイミングを決めることになるという。

 カプセルの再突入に向けた軌道修正は、20年9月中旬から始まる(図1)。カプセル分離後、探査機本体を離脱させるまでに、合計6回の軌道修正を計画する。最初の軌道修正は地球から3700万kmの地点で実施する「TCM(Trajectory Correction Maneuver)-0」。イオンエンジンを使って軌道修正する。このTCM-0でイオンエンジンはいったん役目を終える。

図1 カプセルの再突入に向けた軌道修正
図1 カプセルの再突入に向けた軌道修正
TCM-0はイオンエンジン、TCM-1~5は化学推進系を用いて軌道を修正する。(出所:JAXA)
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 「TCM-1」から「TCM-5」の5度の軌道修正は、10月以降に実施する。化学推進系を用いた軌道修正となる。TCM-0~2の3回の軌道修正で、地球から高度200km以上離れたところを通過するような軌道に乗せる。そして、ウーメラに向けた軌道に変更するのがTCM-3。さらにTCM-4でその軌道を微調整し、狙ったタイミングでカプセルを分離する。その後、TCM-5によって、探査機本体を地球スイングバイを利用して地球から脱出させる軌道に乗せる。