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 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、オフィスでどのような対策が必要なのか――。解決策の一端を得られそうな施設「TOKYOテレワーク・モデルオフィス」を、東京都が2020年7月20日に開設した。企業の生産性向上を図りつつ、自宅以外の場所でもテレワークをできる「場」として、民間のサテライトオフィスが少ない多摩地域に設けた。

 開設した場所は府中、東久留米、国立の3市である。いずれも執務用のフリーアドレス席やブース席のほか、会議スペースやWeb会議用ブースなどを設ける。東京都に在住・在勤の人が無料で使える。利用に当たっては、事前に企業の登録や施設の利用予約が必要だ。いずれの施設も2021年3月31日まで設置する予定だ。

最新設備を試せる

 TOKYOテレワーク・モデルオフィスの特徴は、サテライトオフィスとして使えるだけでなく、最新設備をそろえて、オフィスのモデルルームにもしている点だ。3カ所のうち、席数が最大で60程度ある府中の施設には会議スペースや執務スペース、アイデア創出などに向けてコミュニケーションを取りやすくするオープンスペースがある。そのうえで新型コロナ対策や働き方改革に役立つオフィス家具などを配置している。

東京・府中にあるTOKYOテレワーク・モデルオフィスの内部
東京・府中にあるTOKYOテレワーク・モデルオフィスの内部
(撮影:日経クロステック、以下同じ)
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 「様々なオフィス設備をそろえているので、サテライトオフィスとして使ってもらうだけでなく、自社や自宅の就業環境を整備する際の参考にもしてもらえる」。東京テレワーク推進センターの湯田健一郎事業責任者はこう説明する。同センターは東京都が国と連携して設立したテレワーク普及施設である。

換気しやすく、声が漏れにくい会議スペース

 府中の拠点で特徴的なエリアの1つが、パーティションで仕切られた会議スペースだ。「密閉・密集・密接」の3密になるのを避けるため、天井とパーティションの間を空けて換気できるようにしている。だが、そのままでは会議の内容がパーティション外に漏れやすくなる。そこで、あえて空調音のような音を流すことで、会議内容を聞こえにくくする「サウンド・マスキング・システム」を導入したり、外部に音が響かないよう吸音パネルをパーティションに取り付けたりしている。

会議スペースに設置した吸音パネル。サウンド・マスクキング・システムによって「サー」というマスキング用の音が出ていることも分かる
会議スペースに設置した吸音パネル。サウンド・マスクキング・システムによって「サー」というマスキング用の音が出ていることも分かる
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 サウンド・マスキング・システムは会議中の会話と同程度の音量でマスキング用の音を流す。さらにさらに会議スペースには話し声の大きさを視覚的に伝えるレベルメーターも設置している。内蔵センサーが声の大きさを検知して、大きすぎる場合はライトをオレンジ色から赤色に変えることで、会議中の人に声を抑えるよう注意を促す。サウンド・マスキング・システムとレベルメーターはコクヨ製だ。

会議スペースに設置したレベルメーター
会議スペースに設置したレベルメーター
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