全1115文字
PR

 日産自動車は2020年7月28日、20年度通期(20年4月~21年3月)の連結業績見通しを発表した。新型コロナウイルス(新型コロナ)の影響で世界販売台数が大きく減少するのに加えて、新たな中期経営計画(関連記事)で定めた事業構造改革費用を計上することなどで、当期純損益(最終損益)は6700億円の赤字になる見通しだ。同社は19年度も6712億円の最終赤字を計上しており、2期連続で6000億円を超える最終赤字となる。

 日産社長兼CEO(最高経営責任者)の内田誠氏は同日のリモート会見で、「20年度通期の業績見通しは厳しい内容になった。ただ、新中期計画に盛り込んだ構造改革を着実に実行することで、同計画で掲げた利益率や市場占有率の目標注1)を達成できると考えている。23年度までに再び、当社を成長軌道に戻す」と強調した。また、20年度の業績は確かに厳しいが、新中期計画を策定した時点で想定していた範囲内との見方も示した(図1)。

注1)日産は20年5月に発表した新中期計画「NISSAN NEXT」で、23年度に5%以上の売上高営業利益率と、世界市場全体で6%の市場占有率の達成を目指している。

内田誠氏
図1 日産自動車社長兼CEOの内田誠氏
(リモート会見の画面をキャプチャー)
[画像のクリックで拡大表示]

 日産は20年度通期の業績見通しを算定するにあたり、新型コロナ感染拡大の第2波は来ないことを前提にした。その上で、20年度第2四半期(20年7~9月)から世界の自動車市場は回復基調に入り、同第4四半期(21年1~3月)には前年同期と同水準に戻ると予想した。

 それでも、20年度通期の世界の自動車市場は前年度に比べて16.0%減少の7200万台にとどまり、日産の世界販売台数は同16.3%減少の412万5000台に落ち込む見通しだ。日本や中国、北米、欧州など全ての地域で販売を減らす(図2)。

20年度の世界市場と日産の販売台数見通し
図2 20年度の世界市場と日産の販売台数見通し
(出所:日産自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 世界販売台数の減少に加えて、20年度は構造改革費用を計上する。その結果、20年度通期の売上高は前年度に比べて21.0%減少の7兆8000億円、営業損益は4700億円の赤字、最終損益は6700億円の赤字に落ち込む。