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映像・音声のライブ配信事業のSHOWROOMはライブ映像配信の低遅延化に取り組んでいる。2020年5月25日から、一定の条件を満たした配信・視聴環境に対して「超低遅延モード」を提供している。
SHOWROOMはディー・エヌ・エー(DeNA)を母体として設立され、登録会員数は約400万人で業界大手の一角を占める。2020年7月までにDeNAはSHOWROOM株式の一部をカルチュア・コンビニエンス・クラブやテレビ朝日ホールディングスなどに譲渡しており、DeNAの連結子会社から外れて持分法適用会社になっている。
映像配信には秒単位の遅延がつきもの
コロナ禍で劇場などリアルな場での興行が困難になっており、ライブ配信の需要が急速に高まっている。
一般に通信・放送のデジタル技術を使って映像・音声を配信する際には遅延が発生する。地上デジタル放送で2秒程度とされる。映像・音声の圧縮・伸長の処理時間がその大部分を占める。SHOWROOMの場合、通常は10秒程度、従来の「低遅延モード」でも2~4秒の遅延が発生する。
「超低遅延モード」は遅延を0.5秒に抑えたという。この遅延であれば、ほぼリアルタイムのコミュニケーションが可能になる。