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 決算業務システムのクラウドサービスを提供するブラックラインは、在宅などで決算業務を可能にするシステムやサービスの共同販促キャンペーンを始めた。ITサービス企業など10社1団体と組み、各社の製品・サービスの販促や製品間の連携機能の開発、顧客企業への導入支援に取り組む。現在は6%にとどまる決算業務のリモート化比率を、2021年3月期に30%へ高める目標を掲げる。

 背景にあるのは新型コロナ禍で浮き彫りになった、決算業務のデジタル化の立ち遅れだ。緊急事態宣言で外出自粛が広がったが、多くの経理担当者が紙の書類の処理や押印のため出社を余儀なくされた。リモート決算の定着へ、経理業務の頑固な壁を崩せるか。

 「国内上場企業の2020年3月期決算は三重苦にあった」。ブラックラインの古浜淑子社長はコロナ禍に見舞われた決算業務の状況をこう説明する。「三重苦」とは、海外子会社から送られるべき決算データの外出禁止による収集遅延、書類や押印目的の経理担当者の出社、対面の監査対応をメールで置き換える難しさを指す。結果として2020年3月期決算にかかった時間は平均43.4日と、前年同期に比べて1週間増えた。

国内上場企業の2020年3月期決算の状況
国内上場企業の2020年3月期決算の状況
(出所:オンライン会見映像より、以下同)
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 コロナ禍はまた、日本企業の決算業務に関するデジタル化の遅れをあぶり出した。日本CFO協会によれば、決算業務を全てリモートで実施できた企業は6%にとどまった。「決算業務のために出社を余儀なくされている実態が見えた。紙の請求書の確認や押印が主な原因だ」(古浜社長)。

「アナログリモート」では無意味

 では紙の書類をPDFや画像といった電子データに置き換えれば解決するのか。電子データならメールでやり取りできるため、在宅勤務などリモートの状態でも決算業務をこなせるように思える。だが古浜社長は「リモートだけでは不十分」と指摘する。決算業務の進捗や結果の確認、書類のPDFへの変換やメール送信を手作業でこなしていては非効率だ。慣れないリモート環境ではよけいに時間がかかる恐れもある。紙の書類をPDFに変換するためだけに出社するなど、そもそも完全リモートにはできないかもしれない。

アナログリモート決算の問題点
アナログリモート決算の問題点
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