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 デンソーは2020年7月31日、20年度第1四半期(20年4~6月)の連結決算を発表した。新型コロナの影響で1066億円の営業赤字となったが、通期では営業黒字を見込む。会見したデンソー経営役員の松井靖氏は、「リーマン・ショックのときよりも、回復は速そうだ」と述べた。

決算会見の様子。中央が経営役員の松井靖氏
決算会見の様子。中央が経営役員の松井靖氏
(出所:デンソーのWeb中継映像)
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 第1四半期の売上高は、新型コロナの影響で車両販売が減少したことから前年同期比42.2%減の7651億円となった。営業損益は、操業度の落ち込みから前年同期に比べて1758億円悪化し、1066億円の赤字となった。純損益は901億円の赤字である。

 第1四半期は、すべての地域で減収となった。営業損益は、日本が908億円、北米が263億円、欧州が82億円のいずれも赤字である。アジアは中国での操業が早期に回復し、前年同期比86%減の35億円と営業黒字だった。

 19年度の決算発表で未定としていた20年度通期(20年4月~21年3月)の業績見通しについては、売上高が前年度比11.9%減の4兆5400億円、営業利益が同63.7%増の1000億円、純利益が同10.1%増の750億円と予想した。第1四半期では営業赤字になったものの、緊急の止血や体質改善によって年間では黒字を確保できるという。

 通期予想の前提となる車両生産の見通しは、20年度上期が前年同期比3割減、下期が同5~10%減、通期で同2割減と予想する。

通期で営業黒字を目指す
通期で営業黒字を目指す
(出所:デンソー)
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 また、20年度の設備投資は前年度比9.5%減の3950億円に抑制するものの、研究開発費は同1.5%減の5000億円と、前年度並みを維持する。「研究開発は競争力の源泉なので、歯を食いしばってやっていく」(松井氏)。

研究開発費は年間5000億円をキープ
研究開発費は年間5000億円をキープ
(出所:デンソー)
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 リーマン・ショックとの違いについて、松井氏は次のようにコメントした。「リーマン・ショックのときは四半期で1300億円規模の営業赤字が出た。今回もほぼ同じ規模の落ち込みだったが、緊急の止血対策によって営業赤字は1000億円程度で済んだ。リーマンのときほど、不意を突かれて混乱している状況にはない」(同氏)。

経営役員の松井靖氏
経営役員の松井靖氏
(撮影:日経Automotive、2019年10月)
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 東日本大震災のときのようなサプライチェーンの寸断もあまり起きなかったことから、「回復は速いのではないか」(同氏)とみる。「自動車メーカーの新車販売に比べて、部品メーカーの販売減少率が大きく、完成車の在庫が減っている。今後、自動車メーカーが在庫を適正な水準に戻せば、部品メーカーも回復する」(同氏)。

 とはいえ、新型コロナ感染の第2波、第3波の影響については「分からない」と述べた。