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 ブロックチェーン基盤を利用したデジタル通貨の活用に向けて、生命保険業界が動き始めた。名乗りを上げたのは大同生命保険。2020年7月7日に、暗号資産(仮想通貨)交換業を営むディーカレットと共同でデジタル通貨の発行や利用に関する実証実験を開始した。大同生命によると、デジタル通貨の実証実験は国内の生命保険会社では初めてという。

 今回の取り組みでは、スマートフォンで動作するウォレットアプリ「DAIDO WALLET」を開発。大同生命の幹部社員100人ほどがDAIDO WALLETを通じて、デジタル通貨「DLDC」を利用する。DLDCは日本円と1対1で交換可能なステーブルコインで、DAIDO WALLET内でDLDCをチャージすると、代金は利用者の給与から控除される。DLDCはシャツなど物品購入のほか、個人間送金や自動積み立てなどに使える。

 ディーカレットが提供する、ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを利用する。実証実験は8月31日まで実施する予定だ。

スマートフォンで動作するウォレットアプリ「DAIDO WALLET」
スマートフォンで動作するウォレットアプリ「DAIDO WALLET」
(画像提供:大同生命保険)
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 大同生命は今回の取り組みを通じて、デジタル通貨の運営に関する課題やノウハウの抽出を狙う。デジタル通貨の活用に意欲を見せる理由の1つに、同社は顧客の大半が中小企業である点を挙げる。

 近い将来、中小企業でも受発注や契約においてブロックチェーンやデジタル通貨の利用が広がる可能性がある。「そうしたやり取りは、保険契約にも広がるだろう。企業顧客が多い当社として、デジタル通貨の活用や運用に関してノウハウを得て、すぐに対応できるように準備しておきたい」。共創戦略室課長の土川陽平氏はこう述べる。