日立製作所は2020年8月4日、テレワーク時のコミュニケーション不足の解消を支援する機能を自社の開発環境「Justware 統合開発プラットフォーム」に盛り込むと発表した。アフターコロナの新常態に対応したシステム開発スタイルを模索するプロジェクトマネジャーに朗報となりそうだ。
10月1日に提供を開始する。Justware 統合開発プラットフォームは、開発ツールや開発支援機能、プロジェクト管理機能、チャット機能といったシステム開発に必要となるツールやフレームワーク、開発方法論から成る。
チャット機能を大幅強化
日立がJustware 統合開発プラットフォームに加えたのは、テレワークで把握しづらくなったエンジニアの作業状況やモチベーションなどを分析して表示する機能である。「新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になった4月ごろに約100人のエンジニアにアンケート調査し、開発現場がテレワークで必要とする機能を洗い出した」(日立製作所の立川茂アプリケーションサービス事業部 サービスソリューション本部 アプリケーション共通技術統括部 部長)。
新機能を使うと、開発者がPCを操作した記録やツールの利用状況などのデータを収集できる。例えばアウトルックを使っている時間が長ければ、開発に注力できていない状況にあると推測できる。
エンジニアが開発現場に物理的に集まっていれば、個人の作業状況や開発のボトルネックになっているのかが把握しやすい。しかしテレワークでは作業状況は見えづらい。立川部長は「記録を見ればエンジニアの状況が分かるので、テレワーク下でもリーダーが問題に対応しやすくなる」と説明する。