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 「面倒な部分は我々が引き受けるので、投資信託を手軽に扱ってもらいたい」。auカブコム証券代表取締役副社長の藤田隆氏は、こう語る。auカブコム証券は2020年7月8日、投信の販売機能を提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を開放した。外部事業者を広く巻き込むことで販売チャネルを拡充し、投信残高を積み上げたい考えだ。

(出所:日経FinTech)
(出所:日経FinTech)
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 auカブコム証券は2012年に、「kabu.com API」の提供を開始。株式取引(現物・信用)、先物・オプション取引に関する機能を積極的に外部公開しており、現在50社強が利用する。投信APIの実現に向けて本格的に動き出したのは、2019年12月のこと。KDDIの出資を受けて、カブドットコム証券から名称変更したタイミングだ。資産運用になじみの薄い顧客層を開拓するのに、投信は受け入れられやすい金融商品。これを手広く提供できる体制を整えるのが狙いだ。

 投信を販売するには本来、金融ライセンスの取得や情報システムへの投資が必要だ。さらに株取引などと違い、複数の運用会社とそれぞれ、売買などができる仕組みを構築、運用しなければならない。「この煩雑なオペレーションを巻き取って欲しいというニーズは以前からあった」と、auカブコム証券営業部副部長兼営業部チャネル戦略グループ長の伊藤充淳氏は説明する。

 今回、受発注管理やAML(アンチ・マネーロンダリング)/KYC(Know Your Customer)といった顧客向け機能に加え、設定・解約や基準価額の照会などの運用会社向け機能をAPI経由で外部事業者に提供する。投信分野で注文などの更新系APIを備えるのは国内初だという。

 外部事業者は投信APIを利用することで、auカブコム証券が扱う1000以上の投信銘柄を自社サービス内で販売できるようになる。金融商品仲介業の登録などは必要だが、新たなシステム投資や運用会社との契約などは不要だ。