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 NTTデータの連続増収記録が「31年」で途切れる可能性が高まってきた。2020年度の連結売上高は初の減収となる見通しだ。直接の原因は新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退である。だが根本的な原因は別にあると筆者は見る。これまで解決を先送りにしてきたいくつかの課題が、新型コロナによって表面化したとの見立てだ。真の原因と解決の方策を探る。

 「(2020年度通期は)減収となる予想です」。NTTデータの本間洋社長は2020年8月7日、2020年度第1四半期の決算説明会でこう述べた。2020年度通期の連結売上高について、前期比4.3%減の2兆1700億円との見通しを発表した。発言の前に一瞬間を置き、覚悟を決めたかのようだった。

 NTTデータは創立以来、31期連続で増収を続けてきた。3カ月前の2020年5月に開いた2019年度決算発表会でも、本間社長は「31期連続で増収を達成できた」と語っていた。その際は2020年度の通期見通しを公表していなかった。それから3カ月。新型コロナの影響を基に精査した結果、第1四半期決算のタイミングで968億円の減収見通しを発表した。

 記録はいつか途切れるもの。むしろその後の回復力が問われる。外部環境のせいにするのではなく、自社の強みと課題を総点検し、新たな成長のチャンスを探る機会にしたいところだ。

海外事業はサービス高度化が不可欠

 課題といえば海外事業だ。新型コロナにより「特に海外で(顧客が)IT投資を抑制する影響を受ける」(本間社長)。減収見通し分の約9割が海外売上高の減少である。増収記録の立役者だった海外事業が、皮肉にも記録ストップの原因となりそうだ。

NTTデータの国内/海外別売上高(連結)の推移。海外事業が成長をけん引してきた
NTTデータの国内/海外別売上高(連結)の推移。海外事業が成長をけん引してきた
(出所:NTTデータ)

 ふと疑問がわく。いま世界を見渡すと、多くの企業がアフターコロナの時代を見据え、デジタル投資に力を入れつつある。世界中の経営者がデジタルトランスフォーメーション(DX)に強い関心と意欲を持っており、デジタル化支援を生業とするNTTデータには追い風ではないのか。

 DXなどの大規模案件は完成まで時間がかかるので、2020年度の売り上げ計上には間に合わない、と考えれば辻つまは合う。だが違う見方もできる。