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 富士通は、3Dモデルを使った生産準備ツール「VPS(FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS)」シリーズの新版で工程表(BOP:Bill of Process)の作成・編集機能を強化した。

 VPSシリーズは、3Dモデルをベースに生産の工程情報を編集・管理したり、生産ラインをシミュレーションしたりするツール*1。コンピューター上で検証が可能なため、「新型コロナ禍で現場の在宅勤務を余儀なくされている工場や生産関連部門からの問い合わせが増えている」(富士通産業ビジネス本部ものづくり&ERPビジネス推進統括部統括部長の高橋慎氏)という。

*1 同シリーズの正式な製品名は「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS」。

 同シリーズは、製品の3Dモデルを基に部品や工具との干渉や組み立て性を検証したり、工程情報を編集・管理したりする「VPS Standard」、生産ラインを3Dでシミュレートする「同 GP4」、設備の制御プログラムを検証する「同 IOC Express」、3Dの生産指示書を作る工程情報を基に3D CGによる作業指示書を生成・表示する「同 製造指示Viewer」、工程情報や生産ラインの3Dモデルを基にVR(仮想現実)で組み立て手順を再現する「同 Xphere」などから成る。デジタルプロセス(神奈川県厚木市)が開発した。

BOPの作り込み時間が半減

 新版では、主にBOPの[1]作り込みのスピードアップ、[2]現場に近い表現力、[3]前倒しと変化への対応、の3点を狙って機能を強化したという。例えばStandardでは、[1]のために、過去の機種における工程情報の流用機能を追加した。過去の機種の工程情報を新製品のモデルに取り込んで編集できる。同社のサンプルモデルでは、従来の約半分でBOPを作り込めたという。従来は工程順序や工程情報をモデルごとに作り込んでいた。

図1 過去の工程情報の流用
図1 過去の工程情報の流用
(出所:富士通)
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 複数のユーザーでBOPを同時に編集することも可能となった。メインとサブといった具合に1つの生産ラインを切り分け、それぞれのBOPを別のユーザーが同時に編集できる。最終的にはそれらを統合して全体を更新する。

図2 複数ユーザーでの同時編集
図2 複数ユーザーでの同時編集
(出所:富士通)
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 [2]の機能強化としては、QC工程表や工程FMEA(故障モード影響解析)表などの工程管理情報を表形式でVPSに入力する機能を搭載した。これらの管理手法は、多くの生産現場において表形式で扱われている。それを実際の運用イメージに近い形式で取り込める。これにより、「生産準備情報の一元化が進む。情報の整合性の確保や、重複作業の排除も期待できる」(デジタルプロセスVPSビジネス部部長の根本昭二氏)。

 [3]では、設計変更への対応を強化した。具体的には、3D CADから取り込んだ製品構成ツリーとVPSで作成したそれとを並べて表示したり、設計変更した部分を色分け表示したりできる。設計変更の内容を把握しやすくなっている。

図3 設計変更箇所の表示
図3 設計変更箇所の表示
色分けするなどして分かりやすくした。(出所:富士通)
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