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 新型コロナウイルスの感染拡大で、様々なオフラインサービスのオンライン化が進んでいる。企業にとってはオンラインとオフラインでどう相乗効果を高めていくかが新たな課題となっている。

 解決の1つの手助けになりそうなのが米Adobe(アドビ)が提供するリアルタイムの顧客体験管理(CXM)に特化したプラットフォームである「Adobe Experience Platform」である。2020年7月29日に日本で提供を始めた。

リアルタイムでオムニチャネルの情報を収集・分析

 同プラットフォームは米国で2019年3月に提供を開始したのを皮切りに世界で順次展開しているところだ。「導入数は公表できないが、米国では順調に利用を伸ばしている」とアドビ日本法人の安西敬介ソリューションコンサルティング本部プロダクトエバンジェリスト兼シニアソリューションコンサルタントは話す。

 売りは2つある。1つはリアルタイム性だ。サイトの訪問や商品の閲覧、購買、実店舗への来店、アプリケーションのインストールなど様々な顧客の行動をリアルタイムで収集し、顧客ごとの「統合プロファイル」と呼ぶデータにしていく。

 ユーザーは統合プロファイルを基にオムニチャネル(様々な販売チャネル)での顧客行動を可視化し、複数のセグメントに分類していく。マーケティング関係者にもともと利用の多かった同社の分析ツール「Adobe Analytics」の見た目や操作感を踏襲した。SQL文などを使うことなく、データ分析の専門家でなくても一定程度の分析が容易な点もメリットという。

Adobe Experience Platformはオムニチャネルでの顧客行動を可視化する
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Adobe Experience Platformはオムニチャネルでの顧客行動を可視化する
出所:Adobe

 さらに、例えば来店直後の客のアプリに対して、顧客セグメント別にあらかじめ設定したメッセージを配信するといった、リアルタイムのマーケティング施策も設計・実行できる。Adobe Experience Platformには「Adobe Marketing Cloud」などの同社の既存製品が組み込まれているほか、他社のクラウドサービスもAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を介して連携できる。「来店」「アプリにログイン」などをトリガーにしたコミュニケーションの流れを設計できるという。

顧客の行動をマーケティングの起点に

 「これまでのマーケティングは『来週火曜日に大規模イベントを催すから今週金曜日にこういうセグメントの顧客にこんなメールを打とう』といった企業視点になりがちだった。これに対して、Adobe Experience Platformではリアルタイムでの分析や施策が可能になるため、来店やサイト訪問といった顧客の行動をマーケティングの起点にできる」。安西氏は起点の変換を起こせると強調する。