米国司法省の発表(https://www.justice.gov/opa/pr/chinese-citizen-convicted-economic-espionage-theft-trade-secrets-and-conspiracy)によると、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)フィルター技術の産業スパイ容疑で逮捕・起訴されていた天津大学 教授の張浩(Hao Zhang)氏(41歳)に対して、2020年6月27日、有罪の評決が下された。裁判は昨年10月初めに開催されたが、評決まで当初の予想より長い時間がかかった。この事件を主に米国司法省の発表と報道をもとに振り返る。事件が起こってから10年以上、張氏の逮捕から5年以上が経過したが、その間の中国における関連技術の開発状況も紹介する。なお、BAW(Bulk Acoustic Wave)デバイスの1つであるFBARは、スマートフォン等に広く使われる無線フロントエンドフィルターを構成する素子の1つであるが、詳しくは筆者の過去の記事を参照して欲しい。
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