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 アリババクラウド・ジャパンサービスは2020年8月19日に記者説明会を開き、中国アリババクラウドのクラウド型データベース「ApsaraDB for PolarDB(PolarDB)」に関連して3つの新たな取り組みを発表した。日本市場では米マイクロソフト(Microsoft)や米アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services)がリードするが、巻き返しを図りたい考えだ。

DBを最大で5つの地域に分散

 1つ目の発表は、PolarDBの拡張機能である「グローバル・データベース・ネットワーク(GDN)」が、同日から日本で利用可能になったことだ。GDNを利用すると、距離の離れた地域にDBを分散配置できる。全てのデータはアリババクラウドの国際ネットワークを介して同期し、DBは最大で5つの地域に分散することが可能だ。例えば日本をプライマリーとし、セカンダリーを世界4カ所に配置できる。

「グローバル・データベース・ネットワーク(GDN)」の概要
「グローバル・データベース・ネットワーク(GDN)」の概要
(出所:アリババクラウド・ジャパンサービス)
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 従来はトラフィックや処理が1カ所に集中して速度が低下したり、遠方の地域でネットワークの遅延が発生したりする問題があった。加えて、DBが1カ所のみだと、被災によるサービス停止の恐れもある。同社の奥山朋シニアソリューションアーキテクトは「GDNの類似サービスは他社も提供するが、パフォーマンスは約2倍で、コストは10~15%安い」と胸を張る。

 2つ目の発表は、8月19日からアリババクラウド上でERP(統合基幹業務システム)「S/4HANA」など欧州SAPのアプリケーションの利用が可能となる「SAP on Alibaba Cloud」の提供を始めたことだ。奥山シニアソリューションアーキテクトは「SAPからクラウドサービスプロバイダーとして認定を受けている。中国で実績があり、構築・移行・運用の経験を生かせる」と語る。例えば構築作業を自動化するユーティリティーとしてSAP用のテンプレートを提供するため、簡単に構築できるという。これにより、ユーザー企業は導入の手間やコストの低減を図れる。

「SAP on Alibaba Cloud」の概要
「SAP on Alibaba Cloud」の概要
(出所:アリババクラウド・ジャパンサービス)
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