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 東京都中央区の高層マンション「大川端リバーシティ21」周辺エリアをロボットタウンとして、1人乗り自動運転車や宅配ロボットなどを走らせるプロジェクトが進んでいる。ロボット開発事業者が、地域住民や事業者らと組んでロボットを使ったサービスや実証実験を進め、モデル地区として全国展開する計画だ。

 ロボットタウンプロジェクトを進めるのは、自動運転・ロボット技術ベンチャーのZMP。第1弾として2020年10月から、1人乗り自動運転車の乗り放題サービスを開始する。さらに今秋にも宅配ロボットが公道を走行して荷物を届ける実証実験を行う。

高層マンションの空き駐車場をステーションに

 1人乗り自動運転車の乗り放題サービスは、高層マンションの空き駐車場のスペースをステーションとして、同社が開発した1人乗り自動運転車「RakuRo(ラクロ)」を配備する。利用する際には、スマートフォンの専用アプリを使って予約や走行場所の確認などをする。ラクロは長さ118.8㎝、幅66.4cm、高さ120.0cmの1人乗り自動運転車。操作用のタッチパネルや非常停止ボタンがあるが、基本的にはルートや行き先をあらかじめ指定し自動運転で走行する。

大川端リバーシティ21でのラクロの走行実験の様子
大川端リバーシティ21でのラクロの走行実験の様子
出所:ZMP
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 乗り放題サービスの料金は月額1万円(税込み)。10分370円(同)の時間制料金も用意する。ラクロに乗車するステーションとしては、同エリアの高層マンションの地下駐車場数カ所を調整している。「3カ所は確保したい。ステーションには、マンション1カ所あたりラクロを5台配置する計画だ」(ZMPの谷口恒社長)。

 想定利用者は地域在住の高齢者だ。地域の徒歩圏内で、買い物などの用途での利用を想定している。

宅配ロボットの公道走行実験を今秋に開始

 さらに同エリアでは、今秋にも自動走行する宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」を使った公道走行の実証実験を始める。デリロは長さ96.2cm、幅66.4cm、高さ108.9cmの小型自動運転車で最大積載量50kgの配送ボックスを持つ。配送ボックス内部は4区画または8区画に分かれている。送り主はスマートフォンで配送場所や時間を指定し、受け取る側はQRコードを使ってボックスを開錠する。

 現在は規制によって宅配ロボットは公道走行ができないが、政府は規制緩和に向けた調整を進めている。ZMPはまずは同エリアで実証実験として宅配ロボットの公道走行を行う予定だ。

 一方、規制緩和後の宅配ロボットの事業プランについて谷口社長は「十分にペイする」とみる。宅配ロボットは集配拠点と店舗、住宅などをつないで指定したルートや配送場所まで自動走行で荷物を運ぶ。自動走行中は安全のための遠隔監視が必要となるが、「一か所に多くの住民が居住する高層マンションエリアでは、例えば1回の配送料金を150円としても、収益を得られるだろう」(谷口社長)という。