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 女子高生がダンス動画をシェアして楽しむアプリ――。

 そんなほのぼのとした印象の「TikTok(ティックトック)」が、米中摩擦で揺さぶられている。トランプ米大統領が国家安全保障上の問題を理由に、TikTokを運営する中国ByteDance(北京字節跳動科技、バイトダンス)と「WeChat(ウィーチャット)」を運営する中国Tencent(騰訊控股、テンセント)との取引を禁じた。TikTokに関しては米国企業による米国事業買収、もしくは利用禁止を表明した。日本でも利用禁止の検討が始まっている。

 TikTokは2017年にスタートした短尺動画サービスで、最大60秒の動画を閲覧、投稿できるもの。日本でもすぐに注目が集まり、18年に「Google Play ベスト オブ 2018 日本版」で「エンターテイメント部門」のベストアプリを受賞、同年マイナビティーンズの「2018年10代女子が選ぶトレンドランキング」でモノ部門の2位に入り、その後もTikTokの人気は上昇の一途だ。

 現在は若い世代を中心にユーザー層が広がり、芸能人やスポーツ選手、自治体までもがアカウントを作って投稿している。投稿内容はダンスにとどまらず、ヘアメークや料理などのハウツー、ドラマ仕立てのエンターテインメントなど多岐にわたる。国内では19年にMAU(月間アクティブユーザー)が950万を超えた。

短尺動画アプリ「TikTok」
短尺動画アプリ「TikTok」
出所:ByteDance
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 人気アプリTikTokが米中問題で揺れるなか、米Facebook(フェイスブック)傘下の写真共有SNS(交流サイト)「Instagram(インスタグラム)」が、新機能として短尺動画「Reels(リール)」を投入した。その機能がTikTokに酷似していると話題になっている。TikTokとリールはどこまで似ており、どちらが優れるのか。

 InstagramもTikTokに劣らず若い世代に人気のアプリだ。女子高生は「インスタ映え」する写真の投稿以外に、「ストーリーズ」を多用する。24時間で自動消去される機能で、短い動画や静止画、クイズなどを投稿できる。時間がたてば消える気軽さから、“映えていない”動画をどんどん投稿してコミュニケーションする場になっている。

 Instagramによると、リールは「あらかじめコンセプトのある動画をシェアする機能」として提供したとのこと。表現の場を増やしたと説明し、TikTokには「インスパイアされた」と述べるにとどまっている。

Instagramの新機能「リール」
Instagramの新機能「リール」
出所:Facebook
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