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 「空飛ぶクルマ」と呼ばれる電動の垂直離着陸(eVTOL)機を手掛ける新興企業SkyDrive(東京・新宿)は2020年8月25日、新型機「SD-03」による有人飛行試験を初公開した。同年4月実施の有人飛行試験から機体形状を変更したことで、安全性や操縦安定性に与える影響を確かめるのが狙い。「結果は予想以上に良好だった」(同社担当者)という(関連記事)。

新型機「SD-03」による有人飛行試験の様子
新型機「SD-03」による有人飛行試験の様子
(撮影:日経クロステック)
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 SD-03は、大きさが全長4m×全幅4m×全高2mで、重さは約400kg。2重反転式の8つのモーターとプロペラを備えており、最高速度は時速約40~50kmで、最大飛行時間は5~10分程度とする。モーターやバッテリーの詳細は非公開とした。

 SD-03は、2020年4月の有人飛行試験に用いた機体「SD-02」から操縦性と安全性の2つを改良し、デザインを変更した機体だという。具体的には、パイロットが高度な操縦技能を持たなくても操縦しやすいように姿勢の安定性を高め、ケーブル配線などの設計を見直して、より故障しにくいようにした。

SkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-03」の外観
SkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-03」の外観
(撮影:日経クロステック)
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高度2mを時速4kmで有人飛行

 今回公開した有人飛行試験では、機体は高度2m程度まで上昇した後、時速約4kmで飛行場内をぐるっと1周してみせた。テストパイロットを務めたSkyDriveチーフエンジニアの安藤寿朗氏は「前の機体と比べて、圧倒的に安定して飛べるようになった。航空機を操縦したことはないが、例えるなら自動車で一般道を直進している時のような安定度だった」と話す。

テストパイロットがコックピットから降りる様子
テストパイロットがコックピットから降りる様子
パイロットを務めたのはSkyDriveチーフエンジニアの安藤寿朗氏。(撮影:日経クロステック)
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 操縦方法には自動操縦と手動操縦の2種類を用意し、今回は手動操縦で飛行した。どのように手動操縦するかの詳細は非公開としたが、簡単な入力システムで、まるでジョイスティックを動かしているかのように直感的に操縦できるという。SkyDrive技術開発部リードエンジニアの楠本誠氏は「既に基本的な操縦システムの技術は完成しつつある。システムによる制御を用いて操縦をより簡単にし、将来的には乗り込む人を、パイロットではなく『パッセンジャー』としたい」と話す。

SD-03のコックピット内部の様子
SD-03のコックピット内部の様子
コックピットには情報表示用に大きなディスプレーを備える。ディスプレー上部には単眼カメラのようなもの、ディスプレー下部にハンドジェスチャー入力に使用する「Leap Motion」とみられるセンサーがあった。ただしこの写真の機体は、試験飛行に使用した機体と、操縦装置などコックピット内の一部が異なるという。(撮影:日経クロステック)
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