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 新型コロナウイルスの抑制効果があるとされる222nm紫外線が、早ければ2021年初頭にも国内で実用化されそうだ。ウシオ電機と東芝ライテック(神奈川県横須賀市)は、222nm紫外線光源を使った自動車や鉄道車両向け製品の開発などで業務提携すると発表した。2社は、222nm紫外線関連事業で数年後にそれぞれ100億円規模の売り上げを見込む。

 ウシオ電機の222nm紫外線技術「Care222」を活用する。ウシオ電機は光源モジュールを東芝ライテックに提供し、東芝ライテックは同モジュールを搭載した装置や照明器具を開発・製品化する。東芝ライテックはまず、駅や空港などの公共施設向けの除菌・ウイルス抑制装置を開発し、21年1月の販売開始を目指す。さらに、自動車の車内向けの装置や、222nm紫外線光源モジュールと可視光光源を組み合わせた照明器具の開発も視野に入れる。「既に自動車メーカーなどから問い合わせがある」(東芝ライテック代表取締役社長の平岡敏行氏)

東芝ライテックが21年1月の販売開始を目指す公共施設向け除菌・ウイルス抑制装置のイメージ。ウシオ電機の222nm紫外線光源モジュールを搭載する。可動機構を備えており、広い範囲に照射できる(出所:東芝ライテック)
東芝ライテックが21年1月の販売開始を目指す公共施設向け除菌・ウイルス抑制装置のイメージ。ウシオ電機の222nm紫外線光源モジュールを搭載する。可動機構を備えており、広い範囲に照射できる(出所:東芝ライテック)
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 Care222では、222nm紫外線を照射して細菌・ウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)やリボ核酸(RNA)に損傷を与えることで、複製による増殖能力を失わせている。Care222の光源は、塩化クリプトン(KrCl)を放電ガスとするエキシマランプである。ウシオ電機は、米Columbia University(コロンビア大学)の特許を活用し、人体に有害な波長域(230nm以上)を大幅に除去できる光源モジュールを開発。これによって、人体への安全性を確保したという。同社はこれまで多くの研究機関との共同実験を通じて、Care222の安全性を確認している。

 ウイルスの99%抑制にかかる時間の目安は、光源からの距離が0.5mの場合で20秒、同1.5mで2分24秒、同2.5mで6分42秒となる。装置や照明器具の製品化に際しては、安全性に万全を期す考え。米国産業衛生専門家会議(ACGIH)およびJIS Z 8812「有害紫外線放射の測定方法」によれば、222nm紫外線の許容限界は1日当たり8時間以内、露光量は22mJ/cm2以下に抑える必要があるという。そこで、Care222ではこの許容限界に収まるような設置基準を設ける。