全4362文字

 「熟練研究員よりも25倍速く発見できた」─。そう誇らしげに発表したのは、昭和電工、産業技術総合研究所(AIST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)(図1*1。人工知能(AI)など先端の計算科学を材料開発に応用するマテリアルズインフォマティクス(MI)の成果を報告した。

図1 熟練研究員の25倍速くAIが探索
図1 熟練研究員の25倍速くAIが探索
人工知能(AI)を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)では、より良い材料の素早い発見が可能になる。昭和電工、産業技術総合研究所(AIST)らは、熟練研究員よりもAIが優れた物質を発見できたとする研究成果を発表した。〔出所:昭和電工、産業技術総合研究所(AIST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)〕
[画像のクリックで拡大表示]
*1 2020年4月13日に発表。NEDOの「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」の委託事業として実施した。

 フレキシブル透明フィルムを対象にMIを実施したところ、AIが提案した3つの材料候補の特性が、熟練研究員が経験や知識から提案した25種の候補のどれよりも優れた値を示した。熟練研究員が25回実験を繰り返してもたどり着かなかった特性を、AIは1回目の実験で得ているため、1/25以下の所要時間に相当する。

 このAIは、事前に27種類のフレキシブル透明フィルムについてだけ、その構造と特性の関係を機械学習していた。