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発電所の運営コストは同じ

 米国の数多くの州がこれまでに、気候変動対策、クリーンエネルギー への転換目標に基づき、太陽光発電の普及・導入拡大に力を入れてきた。これに伴い、地上設置型の大規模太陽光発電の開発や運営では、雑草対策を含むメンテナンスコストを低減するため、太陽電池パネルの下と周囲の植生が取り除かれ、砂利や芝生に置き換え、定期的に除草剤で処理される、という管理手法が多くなった。

 地上設置型太陽光発電は、ポリネーターが生息する土壌に直接設置されるため、ポリネーターの生息地を乱す可能性がある。しかし、この太陽光発電の設置場所が適切な植生で育成された場合、ポリネーターの生息・生育する良好な自然状態を保持、または新たに創り出すことができるのだ。

 地域環境に配慮した太陽光発電の立地と開発を促すため、過去5年間にパーデュー・ファームズが本社を構えるメリーランド州を含む7つの州が、「ポリネーターに優しい太陽光発電開発」に関する法案を成立させた。ちなみに、ミネソタ州は2013年にポリネーター保護に関する法を最初に設定した州である。

 その背景には、ハチの減少問題の深刻化といくつかの研究によって、「ポリネーターに優しい」太陽光発電開発のメリットが証明されていることがある。具体的には以下のような利点のあることがわかってきた。

(1)農地の付近にポリネーターに優しい環境が設置されると、その農地での農業生産が増進される

(2)太陽光パネルの下に在来植物を植えた場合は、芝草や砂利の代替品よりもメンテナンスの負担が小さい

(3)在来植物は土壌と水の流出を効果的に最小化する

(4)植物をパネルの下に植えると、植物は熱を吸収し、周囲のパネルの温度を下げ、パネルの変換効率を高めて、より多くの発電量をもたらす

 地域の食料、水、そしてエネルギー保障に貢献する「ポリネーターに優しい」太陽光発電開発」は、発電事業者と周辺農家にとって、「ウィンウィン(Win- Win)」の関係を築くものと言えよう(図4)。

図4●「ポリネーターに優しい」太陽光発電を開発
図4●「ポリネーターに優しい」太陽光発電を開発
(出所:Rob Davis, Fresh Energy)
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