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 トヨタ自動車は2020年8月31日、小型SUV(多目的スポーツ車)の新型車「ヤリスクロス」を発売した。小型車「ヤリス」と同様、同社の車両開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づくBセグメント向けプラットフォーム「GA-B」を適用し、予防安全性能や燃費性能を強化した。さらに、SUVとしての悪路走破性を高めた。新型車を武器に、激戦区の日本の小型SUV市場を攻める(図1)。

ヤリスクロス
図1 小型SUVの新型「ヤリスクロス」
(出所:トヨタ自動車)
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 予防安全性能では、同社の先進運転支援システム(ADAS)「Toyota Safety Sense(第2世代):TSS2」の改良版を搭載し、自動ブレーキを交差点の右左折に対応させた。トヨタの車両では既に、ヤリスと小型SUV「C-HR」、レクサスブランドの中型セダン「IS」の自動ブレーキが交差点に対応している。今回の新型車は、交差点対応の自動ブレーキを搭載する4車種目となる。

 TSS2改良版の主要センサーは、単眼カメラとミリ波レーダーを使う。このうち、主に単眼カメラのソフトウエアを改良して、自動ブレーキを交差点に対応させた。カメラのハードウエアの仕様は変更していない。この改良型カメラを使い、交差点の右折時における対向車や、右左折時に前方から横断してくる歩行者を検知して、自動でブレーキをかける(図2)。

自動ブレーキの作動イメージ
図2 自動ブレーキの作動イメージ
(出所:トヨタ自動車)
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 新型車の競合車は、ホンダの「ヴェゼル」や日産自動車の「キックス」、マツダの「CX-30」などである。これらの車両の自動ブレーキは現在、交差点に対応していない。今回の新型車は自動ブレーキの交差点対応で、競合車に先行した。また新型車の自動ブレーキは昼間の車両や歩行者、自転車に加えて、夜間歩行者にも対応する。

 C-HRの部分改良車に国内で初めて搭載した「緊急時操舵(そうだ)支援」機能も採用した。単眼カメラを使って走行車線内の左脇を歩く歩行者を検知し、歩行者との衝突を回避するための車線内での運転者の操舵をシステムが支援し、走行車線からの逸脱を抑制する(図3)。

緊急時操舵支援
図3 緊急時操舵支援の作動イメージ
(出所:トヨタ自動車)
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