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 携帯電話の販売代理店最大手のティーガイアが富士通の関連事業の買収を決めた。業界で長らく売却が有力視されていた「最後の大物」をティーガイアが手中に収めた。

 国内大手電機メーカーの経営不振に端を発し、2000年代後半から続いた業界再編は今回で1つの区切りを迎える。しかし、足元では携帯電話市場の成熟化や端末値引きの規制強化に加え、新型コロナウイルス禍で収益環境の悪化に拍車がかかっており、先行きは見通せない。

110以上の店舗網を286億円で取得

 ティーガイアは2020年8月31日、富士通子会社の富士通パーソナルズが手掛ける携帯電話販売事業を買収すると発表した。富士通が設立する新会社が同事業を吸収分割の手法で承継したうえで、ティーガイアが新会社の全株式を取得する予定だ。買収価格は286億円に達する。

 富士通パーソナルズはNTTドコモの有力な1次代理店であり、全国で110店舗以上を運営する。ティーガイアは富士通パーソナルズからこうした店舗網を引き継ぎ、業界最大手の地位を固める狙いがある。ティーガイアは2021年3月期に向けた中期目標で「中核の携帯電話代理店事業において、リーディングカンパニーとしてのポジションを堅持する」と掲げていた。

富士通パーソナルズが運営する「ドコモショップ銀座中央通り店」
富士通パーソナルズが運営する「ドコモショップ銀座中央通り店」
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 一方、富士通はノンコア(非中核)ビジネスの切り離しの一環で、富士通パーソナルズの携帯電話販売事業の売却に踏み切った。今回の売却で携帯電話関連事業から事実上撤退する。同社は主力のテクノロジーソリューション事業で2023年3月期に営業利益率10%(2020年3月期は7.9%)を目指しており、売却で得た資金はITサービスなどコアビジネスの強化に充当することになりそうだ。