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 メルカリが米国事業を加速する。需要予測や即日配送といった現地の独自サービスを洗練させ、新型コロナウイルスで変化する利用傾向に合わせてシステムを作り直す。日本よりはるかに厳しい外出禁止で高まった巣ごもり需要をてこに、米国事業の黒字化へアクセルを踏む。

月間流通総額、コロナで目標突破

 「米国事業はメルカリグループの3本柱の1つ。競合環境は厳しく、日本よりは事業の規模は小さいが、シェアは高まってきている」。米国事業を統括するジョン・ラーゲリン取締役は、米国事業の現状をこう総括する。

メルカリ米国事業の経緯
メルカリ米国事業の経緯
(出所:メルカリ、以下同)
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 メルカリは米国でも日本と同様のフリマサービスを提供している。米国における2020年4~6月の流通総額(GMV)は前年同期比83%増の2億8400万ドルであり、月間GMVを1億ドルにするとしていた目標を達成した。

 新型コロナによる外出禁止でEC(電子商取引)の需要が高まり、利用を押し上げた。2020年の3月1日週と6月21日週のデータを比べると、出品数が53%、出品者数が35%、購入数が36%それぞれ伸びたという。

米国で独自サービスを続々投入

 米国事業の最大の特徴が、日本とは異なる独自サービスの数々だ。同社は日本向けと米国向けにそれぞれアプリを分けており、利用者を補助する様々な機能を市場に合わせて開発、提供している。2014年に米国でサービスを始めた当初は日本と同様の機能を提供してロゴも同じだったが、2018年にロゴを刷新。アプリの外観や機能も見直した。

 具体例が商品の需要に基づく様々な出品支援機能だ。過去の販売データなどに基づいて商品の売れ行きをAI(人工知能)で予測し、出品者向けに推奨の値段を提示する「値段サジェスト機能」を2020年5月に提供を始めた。続く6月には需要予測機能を開始。文字通り、商品の需要と出品の傾向をそれぞれ予測して図示するものだ。

需要予測機能の概要
需要予測機能の概要
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