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 2020年9月の定期券売り場は、消費増税を前に行列ができた1年前とはまったく異なる光景になるのかもしれない。IT企業において、通勤手当を廃止する動きが相次いでいるからだ。通勤手当は「絶滅寸前」といった状況だ。

IT企業各社における通勤手当の支給状況
企業名通勤手当の状況
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)現在は通勤手当を支給している。廃止は状況を見つつ検討中
SCSK2020年10月からオフィス勤務者の通勤手当を廃止。同時にリモートワーク推進手当を月1000円から月5000円に増額。客先に常駐する社員は通勤手当を支給するとともに、リモートワーク推進手当を統合した常駐手当を月5000円支給
NEC現在は通勤手当を支給しているが、出社率が低下しているため手当を廃止し、実費精算を検討中
NTTデータ2020年10月から通勤手当を廃止。代わりにリモートワーク手当の創設を予定
TISテレワーク申請日数が10日を超える社員の通勤手当は廃止済み。2020年10月以降は週3回以上テレワークをする社員は通勤手当を廃止する予定。通勤手当の代わりに月5000円のテレワーク手当を支給
日本IBM2020年7月から2カ月を超えて平均週3日以上通勤経路を往復しない社員は実費精算に変更。テレワーク手当は検討中
日本ユニシス現在は通勤手当を支給。廃止するかなど新たな働き方を含めて検討中
富士通2020年7月から通勤手当を廃止。同時に月5000円のスマートワーキング手当を支給開始
野村総合研究所(NRI)現在は通勤手当を支給しているが、出社率が低下しているため、手当の廃止やテレワーク手当の新設を検討中

 日経クロステックがIT企業大手9社に聞き取り調査をしたところ、「固定的なオフィスへ出勤する概念を変える」(富士通広報)と2020年7月に手当を廃止した富士通を始め、5社がすでに廃止または廃止を決めていた。廃止に向けて検討中としたNECや野村総合研究所(NRI)を含めると、大手IT企業の大半が通勤手当の廃止を進めていることになる。

 これは「在宅勤務率が50%を超えてきた」(TIS広報)など、テレワークをする社員の比率が高まっているためだ。オフィス勤務者だけでなく、「7割を超える従来の常駐エンジニアが在宅勤務になっている」(NTTデータ)、「客先に常駐していたエンジニアの4割が在宅勤務になっている」(SCSK)と広い職種で在宅勤務が可能になってきたことも大きい。