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過渡期に便利な「IEモード」

 ではこのままでいいのか。春日井氏は「我々は顧客に『いつまでガラケーを使い続けるんですか』と言って、Edgeへの移行を促している」と話す。ガラケー(従来型携帯電話)と同様に進化が止まっているIEでは、最新機能のメリットを享受できない。IE依存の古いWebアプリを開発・保守できる技術者も減りつつあり、アプリの機能追加も難しくなっている。

最新版Edgeに搭載される「IEモード」の概要
最新版Edgeに搭載される「IEモード」の概要
(出所:日本マイクロソフト)
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 日本マイクロソフトはEdge最新版の「IEモード」を活用しつつ、IE依存のWebアプリから段階的に脱却するシナリオを提唱している。Edgeの「IEモード」はIE依存WebアプリをEdge上で動作させられる機能で、既存のIEユーザーの「後方互換性」のために搭載している。

IE依存Webアプリに含まれる主な機能
IE依存Webアプリに含まれる主な機能
(出所:日本マイクロソフト)
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 春日井氏は「当面はIEモードで古いWebアプリを使いつつ、社内のWebアプリを棚卸しして、IEに依存しない形に作り変えるのがいいだろう」と話す。例えばマイクロソフト独自技術のVBScriptとActiveXを組み合わせて、IEからExcelを起動して表計算処理をするようなWebアプリは、IEでしか動かない。

 こうしたIE依存のWebアプリを棚卸しして、徐々にEdgeなどで動くように作り変える必要がある。一時的にコストがかかるが、作り変えてしまえばEdgeなどの最新のWebブラウザーで軽快に動作し、機能追加などもしやすくなる。

パートナー3社と移行支援

 日本マイクロソフトは顧客のこうした流れを後押しするため、2020年9月中旬にパートナーとIEからEdgeへの移行に関するサービスプログラムを立ち上げる。第1弾としてSoftwareONE Japan、日本ビジネスシステムズ(JBS)、富士ソフトのパートナー3社が参画する。

 これらのパートナーは、顧客企業が持つ古いIE向けWebアプリをEdgeのIEモードで動作させられるようにする際の細かなノウハウなどを提供する。

 2020年1月が期限だった「Windows 10移行特需」が落ち着いた今、「Edge移行特需」に期待するITベンダーも少なくないようだ。ただし、Windows 10移行の際は、古いWindows 7が完全に使えなくなるという前提があったが、今回はIEが使えなくなるわけではない。マイクロソフトが「IE脱却」を促す強いメッセージを出したとはいえ、最終的な判断はユーザー企業に委ねられる。ユーザー企業がどう取り組むかはまだ見通せないところだ。