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 ダイハツ工業は、背高ワゴンタイプの小型車「トール」を部分改良して2020年9月15日に発売した。最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載して予防安全性能を強化したほか、使い勝手の良さ、外観デザインや内装の質感を向上させたことなどが特徴である。ただ今回は部分改良であるため、同社の車両開発手法「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」は適用していない(図1)。

トール
図1 小型車「トール」の部分改良車
(出所:ダイハツ工業)
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 予防安全性能では新型ステレオカメラを採用し、部分改良車に搭載したADAS「スマートアシスト」の主要機能である自動ブレーキを、昼間の車両と歩行者に加えて、昼間の2輪車や夜間歩行者にも対応させた。改良前に搭載していたシステム「スマートアシストIII」は、従来のステレオカメラを使用していたため、自動ブレーキが対応するのは昼間の車両と歩行者までだった。

 部分改良車に搭載した新型ステレオカメラは、SUV(多目的スポーツ車)タイプの新型軽自動車「タフト」に採用した製品と同じ。従来のステレオカメラのハードウエアとソフトウエアを改良して、昼間の2輪車や夜間歩行者の検知性能を高めた。カメラのサプライヤーは、従来と同じデンソーである(図2)。

新型ステレオカメラ
図2 新型ステレオカメラ
図はタフトに搭載されている製品。(撮影:日経Automotive)
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 部分改良車の開発責任者であるダイハツ製品企画部チーフエンジニアの嶋村博次氏は、「新型ステレオカメラを採用したことで、自動ブレーキの作動速度域も広がった」という。具体的には車両に対する作動速度の上限を、従来の80km/hから120km/hに引き上げた。歩行者に対しては50km/hから60km/hに改善した。

 また、部分改良前のシステムは自動ブレーキの他に、(1)車線逸脱警報、(2)誤発進抑制(前方と後方)、(3)先行車発進通知、(4)自動ハイビーム(ハイビームとロービームを自動で切り替え)の機能を備えていた。

 部分改良後のシステムでは、(1)ブレーキ制御付き誤発進抑制(前方と後方)、(2)路側逸脱警報、(3)ふらつき警報、(4)標識認識(進入禁止、一時停止、最高速度)、(5)ADB(前方車に光を当てない高機能ヘッドランプ)、(6)全車速追従機能付きACC(先行車追従)──などの新機能を追加した。このうち全車速対応ACCでは設定できる最高速度を、従来(小型SUV「ロッキー」の場合)の115km/hから120km/hに高めた。