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 電子契約サービス会社が新たに契約管理サービスを相次いで発表している。電子契約サービスがプラットフォームになって、様々な企業が書面の契約書を電子化したり、AI(人工知能)を活用したりする契約管理ツールを提供する。デジタル技術で法務を効率化するリーガルテックの主戦場になりそうだ。

 書類へのハンコをなくすために、電子契約サービスの導入企業が増えている。電子契約サービスを利用することで、印紙税を削減して過去の契約データを管理できる。電子契約サービス会社は企業が過去の契約データを効率的に管理できる新たなサービスを打ち出して差別化を図ろうとしている。

 電子契約サービスを提供するGMOグローバルサイン・ホールディングス(HD)は2020年9月14日、同社の「GMO電子印鑑Agree」とリーガルテックベンチャーであるLegalForce(リーガルフォース)の契約書管理サービス「Marshall(マーシャル)」との連携を同年11月をめどに始めると発表した。Marshallは契約書のPDFデータから自動的に契約締結日や契約当事者名などのデータを抽出して、検索可能なデータベースを作成する。

 サービス連携によって、利用企業は社内データベースに保存した電子契約の情報をMarshallと同期させてAIで自動的に管理できる。この機能を利用するには、GMO電子印鑑AgreeとMarshallの両方の利用契約が必要だ。

LegalForceの契約書管理システム「Marshall」の画面例
LegalForceの契約書管理システム「Marshall」の画面例
(出所:LegalForce)
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 利用企業は、全ての電子契約を網羅した台帳を作成できるのに加え、それを基に契約期間や自動更新の有無といった契約内容を抽出して管理できる。

 GMOグローバルサインHDと提携するLegalForceは今後、Marshallの機能を強化して、取引先ごとに契約状況を管理できるようにする。反社会的勢力の排除や個人情報保護といった覚書を結べているかなどもチェックしやすくする。

 例えば企業が委託契約を受けた業務を他社に再委託する場合、委託元に通知すると規定している契約が多い。「再委託先が増えるたびにどの委託元に通知する必要があるのかを瞬時に把握して、業務を効率化できるようにする」(LegalForceの川戸崇志執行役員COO)という。従業員の雇用契約書のような個人情報へのアクセス権限の設定も可能にする予定だ。

弁護士ドットコムも契約データ管理サービスを開始

 弁護士ドットコムも、同社の電子契約サービス「クラウドサイン」の機能を拡充している。2020年8月、契約書データを自動的に管理するサービス「クラウドサインAI」を開始した。AIでの自動データ化や同社のオペレーターの入力補助によって管理サービスを提供する。