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 富士通はクラウドサービスの大幅な値下げで攻勢をかける。2020年11月1日からハイブリッドクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O(FJcloud-O)」の価格を改定し、最大で仮想サーバーは63%、ストレージは58%、仮想サーバーに載せるOSは36%それぞれ値下げする。3年単位で契約を結ぶ場合は、改定後の価格からさらに50%割り引く。3年契約の割引を加えると、仮想サーバーについては改定前と比べ最大で約81%の値下げとなる。

従来と比較した値下げ幅は最大で約81%となる
従来と比較した値下げ幅は最大で約81%となる
(出所:富士通)
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 FJcloud-Oは米Red Hat(レッドハット)のクラウド基盤ソフト「Red Hat OpenStack Platform」をベースとした、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせられるハイブリッドクラウドサービスだ。利用企業は一般的なパブリッククラウドと同じくITリソースを共有するタイプに加え、仮想サーバーとストレージのみを専有するタイプ、仮想サーバーとストレージ、ネットワークの全てを専有するタイプを選べる。全て専有するタイプについては、リソースの配置場所を富士通のデータセンターあるいは自社拠点のどちらかに指定できる。

 今回値下げの対象とするのはITリソースを共有するタイプのサービス。FJcloud-Oのリージョン(データセンター群)は東日本と西日本にそれぞれに3つずつあり、そのうち最新の「リージョン3」の利用企業だけが対象となる。

クラウドサービス「FJcloud-O」の一部が価格改定の対象となる
クラウドサービス「FJcloud-O」の一部が価格改定の対象となる
(出所:富士通)
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 富士通の谷内康隆 戦略企画・プロモーション室クラウドストラテジー統括部長は「当社のクラウドサービスはリストプライスを見ただけではじかれ、検討の土俵に乗せてもらえないこともあった。価格でアピールする必要がある」と大胆な価格改定の狙いを語る。

 価格改定の背景には首相交代の影響もあるとみられる。菅義偉首相はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を前面に打ち出している。2020年9月25日の会合で菅首相が政府の作業チームに指示した自治体システムの標準化は、注目すべき政策の一つだ。これを機に自治体システムのクラウドへの移行はますます進むとみられる。

 しかし近年、米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス)のAmazon Web Services(AWS)や米Microsoft(マイクロソフト)のMicrosoft Azureなど海外勢のクラウドサービスが自治体システムに食い込み始めている。富士通は政府のIT施策に大きな動きがあるこのタイミングで値下げ攻勢をかけ、存在感を高めたいものと考えられる。