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 「いわば『Tada(タダ)5G』だ」。楽天モバイルが2020年9月30日に開催した記者会見。三木谷浩史会長兼CEO(最高経営責任者)は、同日開始した5G(第5世代移動通信システム)サービスについてこうアピールした。

 具体的には、同社が2020年4月に始めた4Gのサービスと同額の月額2980円(税別)で、自営エリアならデータ通信が使い放題になる。5Gの利用に追加料金が発生しないことから、5Gは“タダ”だというわけだ。月額2980円という水準そのものも「競合他社に比べて71%も安い」と三木谷会長は主張する。

5G対応の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT V」を発表する楽天モバイルの三木谷浩史会長兼CEO
5G対応の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT V」を発表する楽天モバイルの三木谷浩史会長兼CEO
(出所:楽天モバイル)
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 ただ、いつの時代も料金だけでモバイル通信サービスの優劣は決まらない。サービスエリアや通信速度も競争上の重要な鍵を握る。

 楽天モバイルの5Gのサービスエリアはまだ心もとない。同社は2021年3月までに47都道府県で5Gサービスを始める計画だが、現時点では北海道、埼玉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県のごく一部に限られる。例えば東京都では、同社が本拠を構える二子玉川(東京・世田谷)を中心とした一帯と、板橋区の狭いエリアでしか5Gで通信できない。

 新型コロナウイルス感染拡大の余波で、通信基地局の設置作業などに携わる工事業者のリソースは不足しがちだ。それでもNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクの大手3社は、5Gのエリア拡大に向けて工事業者の確保を急いでいる。こうしたなか、楽天モバイルが思惑通りにサービスエリアを広げられるかは不透明だ。