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 「5G(第5世代移動通信システム)でも料金は4Gと同じ月額2980円で使い放題だ。追加料金はかからない。他社と比べて最大で71%も安い」――。楽天会長兼社長の三木谷浩史氏は2020年9月30日、オンラインで実施した記者会見で、同日開始した5Gサービスの価格優位性をアピールした。

4Gと同じ月額2980円で使い放題となる5G料金を発表した、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏
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4Gと同じ月額2980円で使い放題となる5G料金を発表した、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏
(出所:オンライン会見をキャプチャー)

 携帯大手の5G料金の半額以下の水準で挑む楽天モバイルの5Gだが、開始当初のエリアは6都道府県のごく一部に限られる。「他社も似たような状況」と楽天モバイル社長の山田善久氏は強調するものの、KDDIやソフトバンクは2020年秋以降、4G電波を5Gに転用するなどしてエリアを一気に拡大する計画だ。ゼロベースで4Gネットワークを構築する楽天モバイルと今後、差が開く可能性がある。

今後は4G単独契約はなし、5G契約前提に

 楽天モバイルは当初、5G商用サービスの開始時期を2020年6月としていた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でソフトウエア開発が遅れ、開始時期を3カ月延期した。

 楽天モバイルがこの日発表した5G料金は確かに安い。2020年3月末に5Gサービスを開始しているNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの大容量プランや使い放題プランが、割引前の月額料金で7000〜8000円台であるのに対し、楽天モバイルは月額2980円と大手の半額以下だ。複雑な割引はなく、2020年4月に開始した4Gのプラン同様にシンプルで分かりやすい形になっている。

 既に楽天モバイルの4Gプランを契約している利用者は、2020年10月から11月にかけて、5Gも利用できるプランに自動更新されるという。5G対応端末を購入することで、5Gサービスを利用できるようになる。今後、楽天モバイルのプランは4G単独の契約ができなくなり、4Gと5Gを利用できるプランに切り替わる。

 ただし使い放題となるのは、自社のネットワークエリアに限られる。開始当初の5Gエリアは東京都や埼玉県、神奈川県など6都道府県のごく一部だ。5Gエリアを離れても楽天の自社エリアであれば、4Gネットワークで使い放題が維持される。しかし、楽天の自社ネットワークエリア外では協業するKDDIの4Gネットワークにローミング(相互乗り入れ)され、月に利用できるデータ量は5GBに制限される。KDDIとは5Gネットワークのローミング契約は結んでおらず、KDDIの5Gネットワークにはつながらないという。

他社は既存4G活用しエリア拡大へ、ゼロベースの楽天と差

 楽天モバイル社長の山田氏は「5Gは他社を含めて同じゼロベースのスタート。5Gのローミングの必要はない」と説明する。楽天モバイルは今後、2021年3月末に5Gの対象となるエリアを全都道府県に広げ、2021年半ばに真の5G能力を発揮できる「SA(スタンドアロン)」と呼ばれる構成に更新する計画だ。