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 クラウド型経理システムを提供するROBOT PAYMENT(ロボットペイメント)が中心となって経理関連のITベンダーとユーザー企業約100社が共同で立ち上げたプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」は2020年9月30日、経済産業省に「IT導入補助金拡充等を通じた経理の働き方改善に関する要望」を提出した。

ROBOT PAYMENTの藤田豪人執行役員
ROBOT PAYMENTの藤田豪人執行役員
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 この日の要望書提出は、翌10月1日に改正電子帳簿保存法が施行されるのに合わせたものだ。一般に改正法で領収書や請求書などの電子化が進めば、新型コロナ禍でも伝票処理のために出社を強いられることが少なくなかった経理部門の働き方改革につながるとみられる。だが、プロジェクト側は法改正だけでは改革は進まないと見て、世論の喚起や政府の後押しを狙う構えだ。9月30日には新聞広告も出して、経理部門の働き方改革推進を主張した。

 記者会見の場で、プロジェクトの取りまとめ役を務めるROBOT PAYMENTの藤田豪人執行役員は「法改正は、あくまで電子化しやすい環境を整備するにすぎない。電子化のためのシステムが導入・活用されるようにならなければ、経理担当者が出社を強いられる状況は変わらない。経理部門にIT投資をしても売り上げが伸びるわけではなく、IT投資予算が確保されない傾向もある」と要望書を提出した経緯を述べた。

 要望書では、電子帳簿保存法に準拠した帳票の電子化を進めるために、中小企業向けのIT導入の補助金を拡充することや、経理部門の業務変革に焦点を当てた産官学連携の仕組みづくりを進めることなどを提言する。

花王 会計財務部門経理企画部の上野篤氏
花王 会計財務部門経理企画部の上野篤氏
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 プロジェクトに賛同する花王 会計財務部門経理企画部の上野篤氏は「今回の法改正を待ちに待っていた。領収書について言えば、クレジットカードなどキャッシュレスの手段で支払えば紙の領収書を扱わなくてよくなるのは企業にとって大きなメリットだ。一方で請求書はまだまだ課題がある。当社がいくら電子化しようとしても、取引先から『花王のためだけにシステムを導入できない』と言われてしまい、いまだにファクス送受信が残ったままだ」と述べた。ROBOT PAYMENTの藤田執行役員と同様に、中小企業も含めて広く請求書の電子化を進める重要性を訴えた。

 ROBOT PAYMENTと同様にクラウド型経理システムを提供するインフォマートの木村慎執行役員は「請求書はどんな業務でも発生する象徴的な帳票。ここを電子化できれば、他の電子化も進むのではないか。一方で請求書の電子化は取引先の同意がなければ進められない。同意を得やすくするには世論を盛り上げなければならない」との認識を示した。