全1378文字
PR
随時更新のまとめ記事
東証システム障害で何が起こったのか、15年分の苦闘総ざらい

 東京証券取引所は2020年10月1日、システム障害で全銘柄の売買を終日停止すると発表した。相場情報の配信に不具合が起きた。システム障害で全銘柄の売買を終日停止するのは、取引を全面的にシステム化した1999年5月以来初めて。東証を巡っては、2005年ごろにシステムを巡るトラブルが頻発。株式売買システムの再構築に踏み切り、今の「arrowhead(アローヘッド)」に結実した過去がある。

システム障害の影響で、売買高や売買代金にゼロが並ぶ東証の株価ボード
システム障害の影響で、売買高や売買代金にゼロが並ぶ東証の株価ボード
[画像のクリックで拡大表示]

 東証自身のほか、売買を停止した名古屋、札幌、福岡の各証券取引所もarrowheadを利用している。arrowheadは取引参加者から注文を受け付ける「参加者ゲートウエイ(GW)」、注文のマッチングを担う「トレーディングサーバー」、相場情報を外部に配信する「情報配信GW」などで構成する。

 arrowheadの稼働は2010年1月。東証の斉藤惇社長(当時)は稼働を祝う記念セレモニーで「世界でもトップクラスの処理性能を誇る株式売買システムが無事稼働した。世界の機関投資家の取引参加を促せることは間違いない」と胸を張った。

 東証はarrowheadを2度刷新しており、直近では2019年11月に実施した。今のarrowheadは3代目。新システムは注文を受信してから応答を返すまでの時間を従来の300マイクロ秒(マイクロは100万分の1)から200マイクロ秒に縮めた。業務系と運用系のネットワークを分離するなど耐障害性も高めていた。