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 米Google(グーグル)は2020年9月30日(現地時間)、5G対応の新しいスマートフォン2機種を発表した。日本では同年10月15日に発売する。ソフトウエアで機能を向上させる一方、ハードウエアのコストを抑制した。米Apple(アップル)の低価格機「iPhone SE」の対抗として注目を集めそうだ。

 「Pixel 5」と「同4a (5G)」は、Googleが得意とするAI(人工知能)技術によってカメラ機能を強化したのが特徴。加えて最大48時間の駆動を可能にするなど、ソフトの改良で多くの新機能を搭載した。一方でセンサーの数を削減するなどハードのコストを抑制し、価格を安くした。Pixelシリーズのウリである「コストパフォーマンス」の高さに磨きをかけ、今後主流になりそうな中級機市場で攻勢をかける。

「Pixel 5」
「Pixel 5」
(出所:Google)
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「Pixel 4a (5G)」
「Pixel 4a (5G)」
(出所:Google)
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 出荷台数でiPhoneには及ばないものの、Pixelシリーズは最近大幅に増えている。米調査会社IDCによれば、19年のPixelシリーズの出荷台数は約720万台。前年に比べて約1.5倍と大きく増えた。既に国内大手メーカーを大きく上回る。IDC Japanの調べによれば、日本国内における19年通年の携帯電話機の出荷台数で、米Appleに次ぐ2位につけたシャープですら、約420万台にとどまる。

新機能を搭載しながら安価に

 Pixel 5は、19年10月に発売した「Pixel 4」の後継機。新機能を搭載しつつも、価格を下げた。価格は699米ドルからと、従来機(ストレージ容量が64Gバイト品)の発売時の価格から100米ドル安価にしている。Pixel 5は128Gバイトで、同容量のPixel 4と比べると200米ドル安くした。Pixel 4シリーズはスマホ市場で高級機という位置付けだったが、Pixel 5は中級機の価格帯に入ってきた格好である。

 価格を下げながらも、消費者が関心を寄せやすい2次電池の容量やRAMを増やした。Pixel 5の2次電池の容量は標準4080mAhで、Pixel 4の同2800mAhに比べて1.5倍近くに増やした。RAMの容量も大きい。Pixel 5は8Gバイトで、Pixel 4は6Gバイトだった。双方向のワイヤレス給電にも対応。例えば、Pixel 5でワイヤレスイヤホンを無線で充電できる。防水にも対応した。

ワイヤレスイヤホンをワイヤレスで充電可能
ワイヤレスイヤホンをワイヤレスで充電可能
(出所:Google)
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 一方で、Pixel 5のコストを抑えるために、Pixel 4から先進的なセンサーなどの部品を省いたり、半導体部品を変更したりした。例えば、Pixel 4で採用したジェスチャー入力機能「Motion Sense」をPixel 5では省いた。60GHz帯のミリ波センサーを利用したスマホは業界初だったこともあり、Pixel 4の目玉の1つだった。

 だがジェスチャー入力に限りがあったため、あまり利用されなかったのだろう。ミリ波センサーは顔認証にも利用していたからか、Pixel 5では顔認証が非対応となった。なお同センサーのサプライヤーは独Infineon Technologiesである。