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 小型SAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダー)衛星の開発・運用と衛星データ解析によるソリューション提供を手掛けるSynspective(東京・江東)は、SAR衛星が撮像した画像を解析して地盤の隆起や沈下をWebブラウザー上でモニタリングできる「Land Displacement Monitoring(ランド・ディスプレイスメント・モニタリング)」サービスを開始した。2020年9月9日に発表した。

「Land Displacement Monitoring」の画面で地盤の隆起や沈下を把握できる。プロットされた点の色が赤に近いほど沈下、青に近いほど隆起しているのを示す。(出所:Synspective)
「Land Displacement Monitoring」の画面で地盤の隆起や沈下を把握できる。プロットされた点の色が赤に近いほど沈下、青に近いほど隆起しているのを示す。(出所:Synspective)
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 大規模建築物の建設や土木工事、空港のメンテナンスなどにおけるリスク管理での利用を見込む。同社によると、SARデータの解析を手掛ける企業は既にあるが、国内のスタートアップ企業がSARデータの解析結果をWebブラウザー上で閲覧できるサービスを開始するのは初めてだという。

 SARはレーダーを使って、24時間昼夜を問わず、悪天候でも地上を観測(撮像)できるシステムだ。衛星から発した電波で地表を照射し、その反射波で地表を撮像する。雲を透過する帯域の電波を使うので、天候に左右されず撮像が可能。可視光や赤外線の反射光を撮影する光学衛星と異なり、地表に日の差さない深夜でも地表を撮像できる。例えば、ある範囲で地震発生前の撮像データと、地震発生後の撮像データを比較すれば、地震発生後にその範囲の地盤がどの程度隆起したか、あるいは沈下したかをmm単位で把握することが可能だ。

SAR衛星はアンテナから地表へ向かって電波を発射。その反射波を受信して地表を観測(撮像)する。電波は雲を透過するし、SARが放射する電波の反射を撮像するので夜と昼とを問わない。(出所:日経ものづくり)
SAR衛星はアンテナから地表へ向かって電波を発射。その反射波を受信して地表を観測(撮像)する。電波は雲を透過するし、SARが放射する電波の反射を撮像するので夜と昼とを問わない。(出所:日経ものづくり)
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