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 富士通でスーパーコンピューター「富岳」の開発に携わったエンジニアが熱く語った。熱弁を振るったのは、同社の清水俊幸氏(プラットフォーム開発本部プリンシパルエンジニア)である。同氏は、開発の目標、先代スパコン「京」との違い、新規開発した技術、新型コロナウイルス禍での搬入やベンチマーク測定の苦労、富士通での応用展開、ベンチマークの意義などを、アンシス・ジャパンのオンラインイベント「Ansys INNOVATION CONFERENCE 2020」(2020年9月9日~11日)で講演した。

登壇した清水俊幸氏(右端)
登壇した清水俊幸氏(右端)
講演ビデオからキャプチャー。スクリーンは富士通のスライド
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 清水氏によれば、「富岳」の開発の目標は、次の3つである。すなわち、(1)「京」の100倍を超える高いアプリケーション性能、(2)30M~40MWという省電力性、(3)使いやすさ、である。これら3つに対して、次のような手を打った。(1)のアプリケーションの高速化に対しては、Armアーキテクチャーのスーパーコンピューター用拡張命令「SVE」を世界で初めて実装するなど、最先端技術を採用した。(2)の省電力に対しては、電力制御機能をハードウエアで実装するなどした。(3)使いやすさに関しては、CPUコアのアーキテクチャーをSPARCからArmに替えたり、OSにはサーバーなどで広く使われている「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8.1」を採用したりするなどした、とのことだった。

開発の3つの目標
開発の3つの目標
各目標に対して複数の施策を打った。富士通のスライド
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