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 新型「レヴォーグ」(図1)への採用を皮切りに、SUBARU(スバル)が実用化を開始する「新世代アイサイト」。ステレオカメラを含めてシステムを刷新したのが話題を集める中、水面下では次の戦いが始まっている。

図1 スバルの新型「レヴォーグ」
図1 スバルの新型「レヴォーグ」
(撮影:日経Automotive)
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 次世代のアイサイトに向けた開発が始まった。「まだ受注できるか全く決まっていない段階。今度も供給できるよう、スバルの要求にしっかり応えていく」。気を引き締めるのは、米ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)の車載CMOSイメージセンサー担当者だ。

 同社は、スバルが14年に実用化した「アイサイトver.3」、そして今回の新世代アイサイトのステレオカメラにCMOSイメージセンサーを供給している。ステレオカメラのサプライヤーは日立オートモティブシステムズからスウェーデンVeoneer(ヴィオニア)に変更されたが、オン・セミコンダクターは2世代続けての採用となった(図2)。

図2 新世代アイサイトに使うステレオカメラ
図2 新世代アイサイトに使うステレオカメラ
ヴィオニア製で、内蔵するCMOSイメージセンサーはオン・セミコンダクターが供給する(撮影:日経Automotive)
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 調査会社のテクノ・システム・リサーチ(TSR、東京・千代田)によると、ADAS(先進運転支援システム)などセンシング向け車載カメラ市場におけるオン・セミコンダクターのシェアは20年予測で77.0%と圧倒的に強い(図3)。

図3 車載イメージセンサー市場のシェア
図3 車載イメージセンサー市場のシェア
(出所:オン・セミコンダクター)
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 それでも、次世代のアイサイトへの供給は不透明だ。対抗馬として勢いをつけているのがソニーである。市場シェアは同9.1%だが、18年の5.1%から大幅に受注を増やしている。ソニーの成長要因の1つがトヨタ自動車。同社のADAS「Toyota Safety Sense(TSS)」は、初代はオン・セミコンダクターのCMOSイメージセンサーを使っていたが、第2世代でソニー製に替えた。

 オン・セミコンダクターとソニーを軸に動き出した次世代アイサイトの“眼”を巡る戦い。スバルは次世代品に使うカメラの性能や要件を明かしていない。それでも、20年11月末に市場投入を始める新世代アイサイトの開発を振り返ると、スバルがこだわるポイントが浮かび上がってくる。